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第6話 思ってたのと違うな

ソアリンド村を出て1ヶ月。ドロガとアルタンは数個の集落を寝泊まり休憩しつつ、ゆっくりと歩みを進め、大都市ネペロにたどり着いた。ネペロはラテオ王国への通過点として知られているだけではなく、冒険者や魔法使いが仲間を集める勧誘街の存在から仲間集めの都市とも言われていた。


崖に囲まれたこの都市はぐるっと1周崖に囲まれており、北側のラテオ王国に続く北側とコメンサール公国に繋がる南側にある出入口からしか出ることができず、そこに関所を設けているため実質完全防御の要塞であった。


「冒険者と魔法使いだ。ネペロに入りたい」


そういうアルタンに関所の職員はバッグの中身を見せるように言った。アルタンのバッグの中は空だった。


「空っぽね。ようこそネペロヘ」


関所を突破したアルタンはドロガが調剤器具で足止めを食らっているのを見て


「バッグの中身を見えなくする魔法〜」


と陽気にドロガに言って見せた。ははっと笑うドロガはアルタンと大都市ネペロの中に入っていくのだった。


ネペロは、広場から抜けると2階~4階建ての建物がずらりと並んでおり、ネペロの大広場からは3方向に道が伸びており、真ん中の道は巨大な商街”グランドバザール”に通じていおり広場の横に堂々と立っている広い2階建ての木造の建物が冒険者ギルドだった。その冒険者ギルドに2人は入ったのだった。


「お疲れ様でーす。ご要件は?」


気だるそうに話す受付嬢に、仲間が欲しいとアルタンは答えた。


「グランドバザールに入って右側2個目の路地を曲がってください。冒険者たちが仲間を集める勧誘街がありまーす。」


そういう職員にドロガはありがとうと礼を言った。


さっそく2人は勧誘街に足を運んだ。


勧誘街では唯一、絶対的ルールがあった。それは武器を手に持つことだった。武器を持つことは冒険者が殺す相手を定めた時にする行動とされていたため、平和を遵守する勧誘街ではご法度なのだ。


勧誘街にてそれを教えてくれたのは艶やかなブロンド髪の少女だった。


「君も仲間を?」


そう聞くドロガは、早くも少しパーティに誘う心持ちだった。


「そう。あーしは白魔術の魔法使いのマリナ。仲間を探してる。あんた達は名前は?」


「おれはドロガ!こいつがアルタン。」


威嚇してるアルタンにドロガはどうどうとなだめようとしてた。。


「おれは黒魔術の魔法使いだから白魔術とは相容れない」


そう言うアルタンに対して冷静なマリナは言った。


「いいよ。でも、あーしは黒魔術を白魔術と同じくらい尊重してる」


「いや。無理だね。お前が良くてもおれが無理だ。」


「はぁ。もっと危機感持った方がいいんじゃない?そんな魔力のないダメ人間と一緒だと足手まといでしょう?」


ドロガの悪口を言われアルタンは苛立ち、杖を出そうとした。その瞬間ドロガは止めに入った。


「アルタン!だめだ。ここで武器を持つことはご法度だ!」


「そうだね。」


そう笑うマリナにアルタンは


「白魔術は黒魔術の対抗手段と作られた魔法だ。おれがあんたに負けるわけが無い。ここを出たら殺してやろうか」


と、睨みつつ言った。アルタンにマリナは降参降参と、両手をあげた。


「食ってかかってごめんね。改めまして、白魔術の魔法使いのマリナ。よろしく」


ドロガはよろしく!と元気よく言ったがアルタンは舌打ちをした。アルタンに反して、お互い仲間を探していたため気があって、3人は1晩を過ごすことになった。宵の口の宿はひとつのあかりを頼りにしたら薄暗い空間になっていた。まるでこの世に3人しかいないように。


「白魔術って何があるんだ?」


「まず白魔術ってのはね…」


ドロガと仲良く話すマリナを見てアルタンは少し警戒を解きつつあった。


「あーしはね、元々クルーべ村のパーティに入っててね、そこから冒険を始めたんだ。それでね……」


***


翌朝




朝方起きたアルタンは窓に柵が着いただけの簡易的なベランダで、備え付けのマグカップでコーヒーを飲んでいた。次にドロガが起きて水をいっぱい一気飲みしてからベランダにむかった。おはようと挨拶をかわし、ドロガは話し始めた。


「おれらの冒険ってなんか思ってたのと違うな。」


「どうなりたかったんだ?」


そう聞くアルタンにドロガは言葉を濁しながら言った。


「なんつーか、1回でバコンとでかい事をやって勇者クラウンみてーに称えられたいんだ。」


「でも第1級戦犯だろ?」


と、アルタンはにやけ顔で言った。


「それでもいいんだ。ずっと何も出来なかったおれでもチャンスが巡ってきた今しか出来ないんだ」


「そうか…。でもさそう焦らなくてもいいと思うぜ。クラウン達だって、きっと少しづつ積み重ねて魔王を倒したんだと思う。」


アルタンは続けて言った。


「それにおれたちはだいぶハイスピードで北上してるよ」


真剣に考えているドロガにアルタンは諭された。


「そうだな。焦ってとしゃあない。」


そう開き直ったドロガはいきなり聞いた


「そういや、聞いてなかったな…」


さっきよりも真剣な顔になったドロガにアルタンは息を飲んだ。


「アルタン、お前の好きなタイプどんな子だ?」


コーヒーを吹き出してむせかえったアルタンは息を整えて言った。


「髪が…長い子…」


アバウト過ぎて笑ったドロガは軽率にコイツみたいなん?と、ヘラヘラしながらマリナを指さした。するとアルタンは小さく頷いた。


「まじかよ」


その2人の声で目覚めたマリナは、ベッドの上で頭を抱えていた。


「ああぁ……頭いてぇ…死にてぇ…」


朝起きた3人は、情報収集 兼 趣味嗜好の時間として夕刻に帰る約束で、グランドバザールの宿を拠点に1日間自由行動をすることになった。


ドロガがグランドバザールを歩いていると悲鳴が聞こえた。走って近づくとまた、幼いゴブリンが1匹、震えながらナイフを手に持っていた 。ドロガはゴブリンに剣の刃先を向けた。


「出ていけ。」


ドロガを見てゴブリンはナイフを落とし、ドロガに背を向けて森の方角に四足歩行で走り去った。


その時わっと、歓声が上がった


「そこの冒険者よ!名前は!?」


「ドロガ!この世界で名を轟かす冒険者だ!」


グランドバザールの騒動を横目に見て魔導書を選び漁っていたアルタンはドロガが中心だとわかっていた。呆れて、ため息を着いた。


一方マリナはギルドからの小さい依頼を数々クリアしていた。


「植物を成長させる魔法」


「害虫が寄り付かなくなる魔法」


「雑草を芝生にする魔法」


フクロウから依頼完了を得たマリナは次々と町民からギルドを通して報酬が支払われた。軽い依頼を少しづつ、しかし着実にこなしていき、資産を増やしていた。そして自信を付けたマリナは依頼のレベルをあげていく。


***


「マリナのやつおせぇな」


そう呟いたドロガに対し、アルタンは心配で心拍が早くなっていた。


「絶対に何かに巻き込まれたんだ!」


「大丈夫だって。」


「ギルドに行こう!なにかわかってるかもしれない!」


捲し立てるアルタンに対し、いつもとは違うクールに交わすドロガに苛立ちを感じていた。


「じゃあ行くか?」


そういうドロガに行く!と即答し、2人は冒険者ギルドに行くことになった。


「「魔洞窟!!??」」


2人はマリナの行く先が魔洞窟 アンドンにであったを聞かされた。それから10分後、2人は宿で準備を整え、アンドンの方角へ走っていた。


「やべぇ!マリナはお前みたいに生き返らねぇ!今死んでてもおかしくねぇよ!」


「最悪の事態を考えても意味ねぇだろ!」


口論しながらアルタンとドロガはそれぞれ飛行魔法と走行によって急速で、飛ばしていた。


アンドンについた2人は息を整えた。そこにあったのは倒れているマリナだった、


「生きてるか?…」


そう聞くドロガにアルタンは縦に首を振って生きてる、と言った。


アンドンにゆっくり近づいた2人はその先にいるゴブリンを見ていた。アルタンは冷たい声で声を発した


「お前らがやったのか」


「我らはこれから先にいらっしゃるフィージー様の為ここを…」


そう言いかけたゴブリンの首がドロガの剣によって、飛んだ。そしてアルタンは聞く。


「お前がマリナをやったのか」


戦慄するゴブリンたちに、もういい。とそういうかのように杖を構えた。


「ポルボバイーラ」


冷たく塵の魔法を詠唱したアルタンとドロガは塵になっていくゴブリンを背に洞窟の奥に消えていった。何度も枝分かれする洞窟の中アルタンの魔力探知によって正確に歩いていた。そして最深部に着いた。そこには2メートルはくだらない、大きなゴブリンが座っていた。


「お前か?魔力垂れ流しのバカは」


「酷いこと言うなぁ」


そう言って立ち上がるフィージーにアルタンはドロガに目配せをした。アルタンはフィージーに勝算がなかったからだ。


「死ね」


魔力が見えないドロガにフィージーは抑えてるのか?と聞いた。しかしそれを答えるより前にフィージーに向けて剣を突きつけていた。慄いたフィージーは防御の姿勢を取った。


しかしフィージーが気づいた時には両手が切断され、呻き声をあげた。続いて麻痺の魔法をぶつけられたフィージーの首にドロガの剣が刺さった。


「これは俺らを怒らせた分。」


そして首に刺さったまま首から下へ切り下ろした。


「これがあいつの分だ。」


吐血し、身体から大量の血を流したフィージーにアルタンは塵の魔法を放った。ふたりが見守る中、フィージーはゆっくりと塵になったいった。

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