表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アビューズメントパーク  作者: 三重野 創


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/25

千両役者

「ボクも映画はよく観てたほうなんスけど」

 休憩室のブラウン管は、まだ現役だ。


「なんか迫力に欠けるんスよね~」

 キョン子は若手よりベテラン俳優の主演作を好んで観ている。


「グリーンバックではなあ」

 彼らの責任では無いが、空想だけで演じるには限界がある。


「70年代・80年代の映画から伝わってくる空気感が、明らかに違うんスよね」

 テーマも重々しいのが多かったからな。


「酷なことを言うようだが、『これはこの人じゃ無いと出来ない』ってのがあまり無いのかも知れんな」

 自分にしかないものとは、何だろう?


「それもあってか、ボクはもっぱらアクション映画を観てますよ」

 越苦春到えっくはるとはいまどき珍しく、ノースタントでアクションをこなす。


「和製ジャッキー、春到か」

 武田鉄矢やウッチャンじゃないぞ。


「どうです? すごいでしょ、この動き」

 画面を所狭しと移動する春到。俺とやったら・・・五分かな?


「俳優がもともと何を指してたか、知らない人も多いんだろうな」

「え、もともととかあるんスか?」

 左目で画面を見て右目でこちらを見ている。カメレオンかよ。


「俳優はな、〔わざおぎ〕って呼ばれてたんだ。身振り手振りで神様を招く存在だったんだよ」

 アメノウズメノミコトが踊り狂ってアマテラスをおびき出した神話は有名だな。


「動きで神様を・・・」

 そう考えると、普段の何気ない動作も疎かに出来ないな。


「キョン子も所作のガサツなところがあるから気をつけないとな」

「先輩、ボクのお兄ちゃんみたいなことを言うじゃないスか!」

 へえ。兄弟がいたんだ。


「魂がこもった演技だよ、春到は」

「ホント! 彼こそ大和男子やまとおのこですね!」


 春到は画面の向こうで、雄叫びを上げた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ