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天国?地獄?

~自室~

(危ないな~。男だとバレたらoutだと思っていたのに、まさかあんな事まで追加されるなんて…。)

トウカは自室にある”人を駄目にするクッション(自作)”にうつ伏せに身体を預けていた。


『トウカ様、ちょっと宜しいですか?』


あの後、エリサに呼ばれトウカはエリカから身体を離した。

エリカから少し離れた所で

『エリサ、どうしたの?』

『トウカ様、いまエリカ様の胸で反応してませんでした?』

『えっ?!』


エリサは笑顔を崩さず手には枝切り用ハサミを持ちながらトウカに問い掛けてきた。

『な、なんの事でしょうか?』

トウカは思わず言葉を詰まらせてしまった。


『あれ~トウカ様、誤魔化されるのですか?』

するとエリサは笑顔を輝かせながら

『解っていると思いますけど、あの事がバレたら”チョッキン”ですよ。』


ジャキン!!

エリサは近くの枝をハサミで勢いよく切ったのである。


『で、でもまだ私の事バレてないですよ。』

トウカは背筋を冷たい汗を掻いていることに気付いた。


『確かにまだバレてませんね。

しかしトウカ様は年頃の健康な男なのですから、エリカ様のあの凶悪な胸を相手に反応しない方がおかしいかもしれませんね。

でも、各国の王女をキズモノにしたとなれば親睦どころじゃなくなりますので私はアイザック様とステラ様から許可をもらっています。』

『そんな…。』


健全な男子が2年間、禁欲生活をおくらないといけないのだった。しかも回りにはそれぞれ違う魅力を持っている少女達に囲まれてである。

トウカは絶望し目の前が真っ暗になった。


そんなトウカにエリサは顔を赤くしながら、

『まあ、トウカ様にあんまりだと思いますので…、もし我慢出来ない場合は私に言って下さい。』


エリサは実は生娘であった。10代後半に想像妊娠をし母乳がでる様になったそうだ。王宮で仕えていたエリサはトウヤが産まれると乳母兼教育家係に大抜擢されたのであった。しかし、トウヤに付きっきりだった為に男性との出合いもなかった。大胆な事を言っているがエリサは男性経験が無いのであった。

しかし中身が成熟した女性でも見た目は14歳なのだった…。


『ハクオウ?どうしたの?』

エリカの声が後ろから聞こえてきた。

トウカが振り向くとそこには4mを超える大きな白い虎がそこにいた。

『ゴロゴロ♪』

喉をならしながらトウカに顔を擦りつけてきたかと思うと寝そべりお腹を出してきた。

(まるで大きな猫だな。)


『えっえ?!』


エリカは何か困惑しているようだった。

精霊はその姿の生き物の特性をそのまま引き継ぐのであるが召喚した主人以外に服従の行動をけして見せないのである。

しかし、ハクオウはエリカの父にも見せない行動を初対面のしかも召喚師でもない者に見せていたのであった。


トウカはハクオウを撫でるとハクオウは嬉しそうに喉を鳴らしていた。


(ゴロゴロ~♪)

ハクオウの毛は見た目とは違い柔らかく顔を埋めてみたくなるのであった。


『トウカお姉様、ありがとうございました。

それにしてもあのハクオウがこんなになつくなんて、もしかしてお姉様には召喚師としての才能があるのかもしれませんね。

もし宜しければ今度、お礼に私の家に伝わる特別な召喚術をお教えします。後日、時間を頂きますね。それまでに準備しておきますわ。』


『わかりましたわ。それじゃ、私は少し汗をかいたので部屋に戻って着替えしてきますね。

また夕食の時間に会いましょう。』


そう言うとトウカは自室に戻って行ったのだった。


トウカは出来事を思い出し深くため息を吐いていたのであった。


「はあ~~~。マジ疲れた。

身体は疲れていないのに女の振りがここまで気を使うなんて…。」

バレたらチョッキンが待っているのである。トウカは1日中気を張っていたのである。


今日、1日過ごしてわかった事が幾つかあった。

まず男性と女性では仕草がまるっきり違うのだった。一番、凛として格好いいカルラでさえその動作は柔らかくトウカの目を引いたのであった。

更にトウカはミスを犯していた。それはシェリーの護衛であるはずのトウカが近くとは言え武装を解きそのまま外に出てしまったのであった。

エリカは護衛は召喚獣がしているため護衛はいらないがもし、他の護衛が見たのなら直ぐに指摘をしただろう。

武芸十八般、トウカは例え紅時雨が無くても対人戦闘なら遅れる事がないと自負していた。しかし、物理攻撃が効かない敵に対して今回のような事が起きないとは限らないのである。

トウカが魔法を使うとその膨大な魔力により小さな魔法も強化されてしまう、黒い獣を倒した魔法もただ単純に紅時雨に超振動や属性付加を加えただけであった。もし、攻撃魔法を戦闘で使うと広範囲が更地になってしまう可能性があった。

(俺も、まだまだだな。折角の異世界なんだしもっと魔法の練習もしないとな。)


それとこれからの禁欲生活も2年間もあるのだった。

エリサはかまい我慢が出来なかったら言って下さいと言っていたがどんな事をしてくれるんだろうとトウカが悶々となったのは別の話であった。


(さて、これから着替えをして夕食を作るのか~。久々だし何を作ろうかな?)

夕食は各国から来たシェフが作るのであったが従者同士のコミュニケーションの場として何日かに1回は王女達以外が集まり料理を作る事になっていた。

トウカは備え付けの風呂に入ったあと着替えをしエリサに習ったメイクをし厨房に向かうのであった。このあと更にトウカを疲れさせる出来事が起きるとも知らずに。

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