9 王子妃教育!?
どうぞよろしくお願いします。
食事が進みお茶になった時にステファンがマデラインに話し掛けた。
「マデライン嬢。
さっきの話を考えていたのだが……。
君は第一騎士団に入ることを希望しているのか?」
「はい!
騎士になること。騎士団に入ることが私の希望です。
目指すなら、この国の精鋭が集まる第一騎士団が、子どもの頃の憧れでしたし……」
この国には騎士団がいくつかあるが、王立の騎士団は精鋭が集められた第一騎士団、次に一番の大所帯となる第二騎士団には女性騎士団も併設という形で設けられている。
そして、第三騎士団があるが、こちらは遊軍のような動きをしていて、地方へ行くことが多い。
ステファンがにこっと笑ってから、不思議そうな顔をする。
「第一騎士団に入ることが夢なのに、ヴェステラントと婚約した……。
さすがに女性で、さらに王子妃となったら、騎士団の騎士というわけにはいかないだろう?」
マデラインはその言葉を聞くと動きが止まって……、それからヴェステラントを見て目を伏せた。
「あ……、そうですね……。でも……」
「ステファン兄様!
私はマディがやりたいと思うことは応援するつもりです!」
ヴェステラントの力強い声が響いた。
「ヴェス……」
マデラインがびっくりして、ヴェステラントを幼い時のように愛称で呼んだ。
「マディが男なら第一騎士団に入れるくらいの力量をすでに3年生の今、見せているなら……。
4年、5年とどのような結果を出せば、女性でも第一騎士団に入れる……、可能性が出てきますか!?」
ヴェステラントの言葉にその場の全員が驚いている。
ステファンは目を瞬いてから、ヴェステラントとマデラインを何度か交互に見て、クククッと笑った。
「ヴェステラントがマデライン嬢をこんなに思っているとはね!
そうか……。
そうだな。
4年、5年と学院の大会で……、4年で3位以上、5年で1位になること……かな。
それにはペアのホーソン子爵令息の技量も関わってくるが……」
「やります!
できたら、私だけじゃなく、カイルの第一騎士団入りを考えて下さいますか!?」
マデラインが叫んだ。
カイルが驚き、ヴェステラントが……目を伏せた。
エスメラルダがヴェステラントを心配そうに見ている。
「そうだな……。
考えよう。
ホーソン子爵令息より、君の方が大変になることは確実だが……」
マデラインが『?』という表情をしている。
エスメラルダが微笑んで言った。
「大丈夫ですわ!
王子妃教育は私がお手伝いしますから!
ね、週に1回は王城で私とお茶しながら復習しましょう。
わからないことや疑問はすぐにそこで確認すればいいわ」
「……王子妃教育!?」
マデラインが目を見開いて怯えたようにエスメラルダを見た。
「ああ、これから始まるだろう?
王子妃教育。
学院に王子妃教育に……、それだけでもマデライン嬢は大忙しだぞ!
そうだ!
エスメラルダとのお茶の後に、特別に剣の練習に付き合ってやろう!
ホーソン子爵令息も一緒に来ればいい!」
ステファンが笑って言った。
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