5 なんでそうなる!?
どうぞよろしくお願いします。
ちょい短めです。
同じ頃、アーノルドとヴェステラントは5年生の教室で過していた。
こちらは王城に勤める父を持つ何人かの級友に「御婚約おめでとうございます」と声をかけらた。
「ありがとう」
穏やかな微笑みでヴェステラントは返していたのだが……。
その後、少し心配そうな表情でヴェステラントはアーノルドに小さな声で話しかけた。
「マディの様子はどうだった?」
「いや、いつも通りというか……。
あの婚約の挨拶が略式というか……、庭園でのお茶というのはヴェスの心遣いだったのか?」
ヴェスはやっと微笑んだ。
「ああ、母に親友のアーノルドの妹で、シュナイダー伯爵家にはよくというか、週3日くらいでお邪魔している仲だからと話したら、『それなら、そこまで格式張らなくても』と言ってくれて」
アーノルドはため息をついた。
またヴェステラントは心配顔に逆戻りだ。
「何……、何か……?」
「マディ的には、正式な謁見でなかったからと、この婚約が仮のものだと確信を深めたようで……」
「なんでそうなる!?」
ヴェステラントは目を見開き、両手で頭を抱えて身体を折り曲げるみたいに机に突っ伏す。
「うう……、なんで……」
そこへ……。
「どうなさったの? ヴェステラント殿下!?」
近づいて声を掛けてきたのは緩くハーフアップにした流れるような細く輝く金の髪を持つエスメラルダ・ティアーノ公爵令嬢だ。
最上級生の5年生だが1年の時から『学院の聖女』と呼ばれ、美しさと知性を兼ね備えたこの国一番の若き淑女であり、ステファン・ソー・デュバイン第1王子殿下の婚約者、つまりヴェステラントの同級生にして未来の義姉である。
「エスメラルダ嬢……。
女性が……、自分はこの男性に好かれていると、貰ったら思う物は何ですかっ!?」
ヴェステラントの突然の質問にエスメラルダはその青紫の宝石に例えられる瞳を驚いたように瞬かせた。
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だいぶ登場人物が出揃ってきました。




