43 早馬
どうぞよろしくお願いします。
ヴェステラントは焦っていた。
マデラインのことが心配でじっとしていられず、学院の馬を強引に借り出して飛び出したはいいが、少し走らせて途方に暮れてしまった。
「ヴェステラント殿下!」
同じ卒業生のライトが馬で追いかけて来ている。
「どうしました!?」
「ああ……、どこに……」
「アーノルド達はシュベイク侯爵家に行くでしょう。
カイル達にはシュナイダー伯爵家に行くように頼んだとエントランスで聞きました」
馬が走ってくる音がしてライトがヴェステラントを守るようにそちらに馬を進めて前に立つようにして、馬上で身構えた。
「ヴェステラント殿下!」
女性の声だ。
「……? ジェーン!?」
ヴェステラントが名前を呼んだので、ライトは少し警戒を解いた。
馬はすぐ近くで足踏みをして止まった。
「お嬢様はルドン街の元システィナ様の小屋敷に向かっています!」
「ルドン街? システィナ?」
「シュベイク侯爵家のシスティナ様です。
6年前にお亡くなりに。
その時、マデライン様とセレイア様が最後に話があると呼びつけられています」
「……6年前?」
ヴェステラントの脳裏に急に自分のことを『ヴェステラント殿下』と他人行儀に呼ぶようになったマデラインの少女時代の姿が浮かんだ。
それまで『ヴェス! ヴェス!』と満面の笑みで呼びかけてきて、子どもの思い切りの良さで抱きついてくることすらあったのに、急に……。
「こちらです!!
シュナイダー伯爵家にはもう伝令が走っています!」
ライトは戸惑っている。
「彼女はマディの、シュナイダー伯爵家のメイドのジェーンだ」
ヴェステラントの言葉に「メイド!?」と驚きの声を上げるライト。
「お急ぎを!!」
ジェーンは馬を急発進させた。
「行こう!!」
ヴェステラントも後を追い、ライトも慌てて馬の方向を直して追いかけ始めた。
「シュナイダー伯爵家って……。
規格外の女性が多いのか!?」
その時、また早馬が一頭合流し、ジェーンの馬と並走して何か伝えている。
ジェーンは頷き、後ろに振り向いた。
「シュナイダー伯爵家と連絡がつき、ロザリンド様が出られたそうです!」
「ロザリンド様が!!」
ヴェステラントが女性の名を復唱してから、ライトに向かって叫んだ。
「ロザリンド様はシュナイダー伯爵夫人だ!」
「って、マデライン嬢の母親ってこと!?
えっ?
こういう時は普通、父親だろ!?」
ライトの驚きの声にジェーンはちらりと冷たい視線を向け、ヴェステラントは「シュナイダー家はというか、マデラインのところはそうなんだ!」と叫んだ。
読んで下さり、ありがとうございます。
ライト、それぐらいで驚いてちゃ、いかん!
50話で完結予定です。
書き終えました。
名前がー、家の名前がー。
できるだけ確認してから投稿しているのですが、後から、やべ、ごっちゃになってるということがあり、大反省して速攻で直してます。
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございます。
後もう少し、完結までお付き合い頂けたらとてもうれしいです!
どうぞよろしくお願いします。




