33 卒業パーティー ②
どうぞよろしくお願いします。
ダミアンがマデラインに視線を戻した。
「マディ、ヴェステラント殿下との婚約おめでとう」
「……ありがとうございます」
マデラインが目を伏せて小さな声で言った。
「……セレイラのことは気にするな。
奴はもうシュベイクから離れたのだから。
後はマディだけだな」
「でもっ!」
マデラインは顔を顰めた。
「私は……」
ダミアンがマデラインの頭をポンポンと撫でるように触る。
マデラインが一瞬びくっとした。
「マディはシュベイクに近いがシュベイクではない。だからこそ、私の元に戻ることもできるよ」
マデラインはびっくりしたように顔を上げた。
「シュベイク侯爵家の騎士団も女性騎士を入れることを考えている。
卒業する時には考えておいてくれ」
マデラインは返事ができずに、曖昧に頷いた。
ダミアンは微笑んで去って行く。
「大丈夫ですか?
マデライン?」
ジルティアがマデラインにそっと寄り添い、去って行くダミアンを見た。
「シュベイク侯爵令息……。
ご親戚でしたっけ?
ずいぶんと親しそうな……。
『私の元に戻ることもできる』なんて……。
いくら親しくても婚約中の女性に言う言葉ではありませんわ!」
「従兄になるんです。
ダミアン兄様、そしてリンデンバウム辺境伯爵夫人は従姉のセレイラ姉様。
私は女だったので、母とシュベイク侯爵家に行って過すことが多くて。
妹のように……、思われているんでしょう」
マデラインがわざと笑おうとする声に含まれる硬さをジルティアは怪訝に思った。
あの素直で明るいマデラインが何かを隠している。
ジルティアはそれを気取らせないように明るく言った。
「まあ、セレイラ様!
マデラインの前の『騎士令嬢』ですわね!
ステファン王子と同級でしたっけ?」
「ええ、そう」
マデラインは頷いた。
「私も後でご挨拶したいです。
ではそろそろエスメラルダ様の所に行きましょうか?」
マデラインがジルティアを見た。
「ありがとう、ジルティア」
ジルティアは微笑んだ。
「なんだか……、マデラインがおとなしいですわ。
何か気になることでも?」
「えっ?
ああ、緊張してるのです……」
「マデライン!
先ほどの大人な男性は!?」
ロザリーが乱入してきた。
「シュベイク侯爵令息のダミアン様です。
私の従兄で、8歳年上かな?」
「まあ、本当に大人でしたわね。
頭ポンポンされるなんて!
でも、マデラインのことをかわいがっている感じに色気がありましたわ!」
「かわいがってるって……」
マデラインが苦笑してから言った。
「皆さん、そろそろエスメラルダ様の所に行きましょうか!」
読んで下さり、ありがとうございます。
年齢の話。
ダミアンはマデラインの8歳年上。24歳。
セレイラは5歳年上になります。21歳。ステファンと同い年です。
卒業生は18歳。
3年生(新4年生)は16歳です。




