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32 卒業パーティー ①

どうぞよろしくお願いします。

 とうとう卒業式。

 卒業する5年生と在校生代表の4年生が卒業式に参加し、厳粛に式が行われた。

 そして、卒業パーティー。

 卒業直後の5年生は大人の社会への第一歩として華やかな式服やドレスで招かれている。

 王城の高官や各騎士団長や高位貴族などの参加もあり、卒業を祝うとともにこれからの仕事についての話や人脈を広げるための話題が繰り広げられることになる。

 新4、5年生にしてみれば、そんな卒業生の姿を見てお祝いしながら、自分の将来についての情報を得る重要な場になる。


 ステファンもエスメラルダの婚約者としてだけでなく、王子として、また第一騎士団の副団長としても参加している。


 ヴェステラントとアーノルドと一緒にマデラインはいる。

 カイルとライラベル、ジルティアとロザリーも近くにいた。

 次々と到着した来賓の名が読み上げられ、ホールはざわざわと落ち着かない。

 

「すごいわね……。

 騎士団を持つ公爵、それに侯爵、辺境伯爵の家の方々も参加されてるわ……」

 ジルティアがマデラインに言った。


「ジルティアのガスパール公爵家もね!

 いらしてるのは……、お兄様?」

「ええ、一番上の兄でユージンですわ」


 ジルティアに似た銀髪の男性がこちらに来た。

「ヴェステラント殿下、御卒業おめでとうございます」

「ありがとう、ガスパール公爵令息」

「ここのところ、ジルティアと仲良くして頂いているようで、そちらもありがとうございます」

「ジルティア嬢は私の婚約者のマデラインの友人なのでね。

 これからも仲良くして頂けたらうれしい」


 ユージンがちらりとマデラインを見て、特に感情を感じない表情で軽く会釈した。

 マデラインも会釈を返す。


 その時、リンデンバウム辺境伯爵の名が読み上げられ、マデラインはそちらを見た。

 若き辺境伯爵は夫婦で参加されていて……。

「……セレイラ姉様!?」

 マデラインは目を見張ってから、ステファンとエスメラルダの方を見た。

 辺境伯爵夫妻は第1王子の方へ進んで行っている。

 当たり前のことなのだが、気になったマデラインはエスメラルダの方へ行こうとしてアーノルドに止められた。

「どうした?」

「あ、セレイラ姉様がいらしたので、ご挨拶をと……」

 その時「アーノルド、おめでとう!」と声を掛けてきたのはシュベイク侯爵令息のダミアンだ。

「ダミアン!?

 ありがとう……。

 セレイラも来てくれたんだな!」

 アーノルドがダミアンにお礼を言ってから、リンデンバウム辺境伯爵夫妻の後姿を見た。


「ああ、セレイラも、ね」

 苦笑いを浮かべたダミアンは妹夫妻の姿を目を細くして見やった。


読んで下さり、ありがとうございます。

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