28 プレゼント
どうぞよろしくお願いします。
休みの日、朝から大騒ぎのシュナイダー伯爵家。
大きな客間にドレスを飾れるトルソーが持ち込まれる。
伯爵家といえども4台しかなく、アーノルドが昨日のうちにシュナイダー家と懇意にしている仕立て屋に急遽依頼して4台のトルソーと追加で付けられるレースや飾りなど用意してもらっている。
伯爵家のトルソーにマデラインは16歳の誕生日に誂えた青のドレスを着せた。
マデラインの青い瞳に合わせた明るい青というより空色に近いシンプルで古風なイメージもあるドレスだ。マデラインの希望で胸元もしっかり覆われているデザインで上品である。
マデライン自身はシャツにスラックス姿でいたらアーノルドに注意された。
「着替えなさい」
「えっ、でも、別に……」
「着替えなさい」
「……はい、わかりました」
アーノルドがマデライン付きのメイドのジェーンに頷いて見せる。
ジェーンはこくりと頷いて、マデラインと下がった。
「もしこのドレスに緑の色味を足したいと思ったら……」
アーノルドの問いに仕立て屋の女主人がドレスを眺めて……。
「そうですね。
この胸元の切り替えところにレース……、緑の薄い透ける布を重ねるのはどうでしょう?
同じ色味の布かリボンなどでスカートの部分にも装飾を足す……とか」
「なるほど」
ヴェステラントが一番乗りだった。
「早いですよ!」
「だって何か手伝うこととか!」
「特にないです」
「マディは?」
「今、着替え中です」
「ちょうどいい、アーニー、これ見てくれないか?」
ヴェステラントが手のひら大の箱をふたつ取り出す。
「もうできたのですか!?」
「ああ、ブレスレットというかバングル? の方は兄様に聞いたら既に金属部分ができてる台があって、台と石を選ぶだけだった。
エスメラルダの物とは違って、手首に固定できるものにした。
このタイプなら、本当に防具の手甲みたいだろ?」
つるんとしたバングルでなく、手首を挟んで留めるタイプ。
金の透かし細工の中に大きめの緑の石が嵌め込まれている。
「それと同じ意匠の髪飾り。
どんな金具がいいかわからなくて、お薦めされた金具にした。
これなら結い上げても使えるし、髪を下ろした状態でも使えるとか?」
ブレスレットと同じ金の透かし細工の台に大小の金の花が咲いていて、花の中に緑の石が輝いている。
「おお、なかなか素敵ですね。マデライン様にお似合いです」
アーノルドは仕立て屋にもドレスと合わせる装身具として見てもらうと褒めてもらえた。
「金の台ですね……。
となると、ドレスにも金の色味を入れた方がいいかもしれません。
金のビーズを足すとか」
アーノルドは頷いてヴェステラントに箱を返す。
「いつ渡すんだ?」
「みんなが揃って、少し話が進んだら……」
「うん、頑張れよ!」
読んで下さり、ありがとうございます。




