26 お互い好きだと……
どうぞよろしくお願いします。
「おはよう!」
マデラインが3年の教室に入るとカイルがいたので、大きな声で挨拶してから、ちらりと後ろの方の席を確認する。
まだライラベルは来ていない。
「ねえ、昨日、どうだったの!?」
「なっ!
まあ、ありがとな。
ちゃんとベルと話ができて……」
「ベル!?」
「うおわっ! 声でかいよっ!」
マデラインは口を手で押さえコクコク頷いてから、その手で口元を隠すようにして小さな声で言った。
「ベルって呼ぶ仲になったの?」
カイルの顔が真っ赤になった。
その時、「おはようございます!」とジルティアの声がしてマデラインはジルティアに軽く手を振った。
にっこり手を振り返してくれるジルティア。
カイルは何とか落ち着いたようで、大きく深呼吸している。
すぐにライラベルとロザリーも教室に入って来て……。
カイルとライラベルの目が合ったと思ったら、ふたりともまた赤くなった。
「へー、カイル、もうデレデレだな」
マデラインがくすくす笑う。
「悪かったな。
俺はヴェストラント殿下みたいに余裕がないんだよ!」
「ええ、私達は違うもの!
へー、本当にお互い好きだとそんな感じになるのかー」
「違うって?
そんなわけないよ。
ヴェステラント殿下はマディのことが本当に好きだよ」
「そう見えているなら……。
すごいなヴェストラント殿下!
なかなか演技力があるってことだね!」
同じ頃、5年の教室ではアーノルドから馬車の中の話を聞いてヴェステラントが盛大に顔を引き攣らせていた。
もうエスメラルダはそばにいて、最初から話を聞いている。
「あらー、そんなことになっているとは……。
でも、卒業パーティーには出てくれるのね!
うれしいわ!」
「でも、持っている青ドレスでいいと……」
アーノルドは弱りながら言った。
確かにもう日にちもないので、新しいドレスというのも難しい。
突然、婚約を申し込んだことで、ヴェステラントもアーノルドも完全に失念していた。
「そうねぇ……。
ジルティア様達も参加するという話になっているなら、私にも相談があると思うから……。
ヴェステラント殿下、装身具ならそこまで時間が掛からずに用意できますよね!
ドレスのデザインがよくわからないけれど……。
とりあえず、ブレスレットの用意は進めておいて下さいませ!
後、もしできたら、ブレスレットのデザインに合わせた髪飾りを!」
「金で緑の石のですね!!」
ヴェステラントが力を入れて言う。
「そう、なるべくヴェステラント殿下の瞳の色に近いものを!」
読んで下さり、ありがとうございます。
エスメラルダ、頼りになるー!




