25 改めてない!?
どうぞよろしくお願いします。
「卒業パーティー、私は出た方がいいんだよね?」
学院に向かう馬車の中でマデラインに言われてアーノルドは頷いた。
「ああ、出てくれたらヴェスも喜ぶだろう。
新4年生としても出席できるが、ヴェスの婚約者として出席してくれれば、周囲に周知もできるし。
マディ、ヴェスとのこと改めて考えてくれたんだな!」
「改めて?
えっと……、ガスパール公爵令嬢と友達になれたの!
それで王子妃教育を一緒に受けられることになって!
なかなかいい感じでしょ!
これで私がいいところで身を引けば大丈夫!
ジルティア、あ、ガスパール公爵令嬢ね!
ジルティアもまだ婚約話とか特に言われていないことも確認できたし。
卒業パーティーにジルティアも出てみたいって話になって!
さりげなくジルティアとヴェステラント殿下が近づける機会が増えればいいよね。
私、頑張ります!!」
アーノルドはわけがわからないという顔で聞き返した。
「身を引く!?」
「はい? だから順調です!
エスメラルダ様にもジルティア、気に入られてて!!
私と一緒に王城にも行くことになったし!」
「……ちょっと待て!?
昨日の……試合を見て……何も感じなかった!?」
「昨日の試合?
ああ、ヴェステラント殿下も兄様、思ってたより強かった!
もっと早く本気出してれば今年度の順位、もっと上になってたのに!!
成績に関係なくなってから本気出すなんて、ヴェステラント殿下っぽいというか……」
マデラインはくすくす笑いながら言った。
「えっ?」
アーノルドが顔を顰める。
その表情を見てきょとんとするマデライン。
「はい?
……とりあえず兄様!
私、なかなかうまく任務を遂行してますわ!
御安心を!!」
アーノルドは少しの間考え込み……。
「……卒業パーティーのドレスはどうするんだ?
もう日にちもないだろう?」
「誕生日の時に作ってもらったのでいいでしょう?」
「え、あれ、青じゃなかったか!?」
「青ですね。よく覚えてますね。
あ、そうか!!
ジルティアに緑を勧めてみようかな……。
では、兄様!
放課後に!!」
アーノルドが返事をする前に停まった馬車からマデラインは身軽に降りて行ってしまった。
「全然、伝わっていなかった……」
アーノルドは右手で頭を、髪をガシガシッとかいて、ため息をついた。
読んで下さり、ありがとうございます。
ヴェスの努力が……。兄ちゃんも熱くなったのに!




