表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
21/50

21 驚き

どうぞよろしくお願いします。

 ヴェステラントが歯を食いしばってステファンの攻撃をしのぎながら、チャンスが来るのを待っているようだ。

 そのチャンスとは……。


 ステファンが剣を振る速さが少し遅くなったと感じた時、剣を握り直そうとした。

 その一瞬、ヴェステラントは自分の剣をしならせ、ステファンの剣を巻き込んで跳ね上げた。

 ステファンが慌てて手を上げて剣を強く握ったところにヴェステラントが肩から体当たりした。


「「えっ!!」」

 マデラインとカイルは驚いた。

 今までそのような荒っぽいことをするヴェステラントを見たことがない。

 周囲で試合を見ている学院生達も驚いている。


 ステファンは胸を強く押されて2、3歩下がり「なかなかやるな!」と笑った。

 そこからヴェステラントの猛攻が始まった。

 受けるステファンの表情がだんだん真剣になっていく。



 アーノルドとマックスの方もお互い体力を使い切ったという感じで、元々マックスよりも細いアーノルドの方がもう何とか構えているという感じだ。

 いつものアーノルドなら、降参しているところだろう。

「お前、なかなか強いな……。

 あの『穏やか王子』も……。

 あっちが本性か!?」

 マックスが感心したように言った。

 アーノルドが頷く。

「……なんだ?

 身分が高いから、力は必要ないと、今まで本気を出さなかった?」

 マックスが顔を顰める。

「いや……、ヴェス……テラント王子には、考えがあって!」

「考えねぇ……。

 まあ、身分があると、逆に気を遣っちまうな」

 そしてステファンを見る。

「逆にあれぐらい『完璧王子』でいてくれると、敵わないとすっきりするんだけどな。

 あー、すっげえ第1王子の下の第2王子ってのも……。

 それに付き合うのも大変だな」

 アーノルドはマックスの言葉に笑ってしまった。

 その時、「やめ!」と試合時間が終わったことを伝えられ、アーノルドは座りこんだ。

 マックスが手を差し出し、アーノルドはその手を握り、ふたりはニヤリと笑った。

「アーノルド、思っていたより強かった」

「それは、ありがとう」



 ヴェステラントは肩で大きく息をついて、動きを止めた。

「……とりあえず、負けなかった……」

 そう言って天を仰いで……、崩れ落ちた。

「!? おいっ!! ヴェス!!」

 ステファンが慌ててヴェステラントの頭を持ち上げるように抱き抱えた。


 アーノルドも駆け寄ろうとするが足が……。

 マックスが肩を貸してくれている。



 マデラインは観客席の仕切りを飛び越えて地面に下りると走って行く。

 その後ろ姿を見ながらエスメラルダ、ジルティア、ライラベル、ロザリーは慌てた。

「マデライン、待って!」

「ええっ、ここを飛び越えてって……」

「何も言わずに行っちゃったわ!」

「本当に婚約者なのね……」


 ライラベルがぽかんと見送っているカイルに言った。

「カイル!! 早く追って!!」

「はいっ!」

 カイルも仕切りを飛び越え、マデラインを追いかけて行った。


「……カイル?」

 ロザリーが『ん?』という顔でライラベルを見る。


読んで下さり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ