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20 シュベイク侯爵家

どうぞよろしくお願いします。

「お前が私に挑んでくるとはな……。

 もう敵わないとあきらめたから、手を抜いたり……。かかってこないのかと……」

 ステファンが面白そうに言った。

「何がお前をそうさせた?」

「……好きな人に好きだと、一緒にいたいと思ってもらえるように努力しようと思ったんです!」

「……マデライン嬢か?

 でも、彼女は……」

「……私のことは兄の友人のひとりくらい、幼馴染のような、兄のような男としか思っていない」

 ステファンは少し驚いた顔をした。

「でも、マデラインはお前との婚約を承知したのだろう!?」

「承知して受け入れてはくれましたが……、本心からではないようです。

 何か任務のようなものだと……。

 彼女から……、好きだと言ってもらえるような強い男に私はなる!」

 ステファンは静かに言った。

「そうか……。

 シュベイク侯爵家について調べてみるといい。

 王家と関わった女性が過去にいた。

 マデラインは彼女のことを知っているのでは?」

「……シュベイク侯爵家?」

「マデラインとアーノルドの母方の家だ。

 とりあえず、話しはここまで。

 行くぞ!」

「えっ?」

 ヴェステラントは慌てて剣を構え直し、ステファンとぶつかり合った。

 ヴェステラントが後ろに吹っ飛んだ。



「ああっ!」

 マデラインが声を上げた。

 カイルも情けない声を上げる。

「やっぱり、無理か……!」

 カイルのシャツをまた引っ張るライラベル。

「無理なんて言わない!」

「はい……」


「あ、自分で飛んだみたい!!

 勢いを相殺したんだ!」

 マデラインが少しほっとしたように言った。


「ああ、アーノルド様がっ!

 ちょっと苦しそうな顔、色気ある!」

 ロザリーの言葉にぎょっとするマデライン。

「え!?」

「あ、すみませんっ。

 アーノルド様とヴェステラント王子殿下、人気があるんです。

 私もそういうのちょっと好きで……」

「人気!?」

「ああ、その……、推しカプというか……、創作というか……」

「推しカプ?」

「創作って、あの、創作?」

 エスメラルダがそう言ってロザリーを見る。

「はいっ、妄想するというか……」

「ん? 何の話?」

 マデラインがさらにロザリーの話を聞き出そうとしている。

「そんなことより試合を見ろ!」

 カイルが叫んで、マデラインは試合場を見る。

 兄のアーノルドがマックスと打ち合いをしている。

 マックスは少し手加減しているようだ。

「なんか……、手加減されてるっ!」

 マデラインがイライラと言った。

「アーニー兄様!! 本気出して!!」

「マデライン様!

 ヴェステラント王子殿下が!!」

 ジルティアの言葉にマデラインが視線を動かす。

「ああ、ヴェステラント殿下っ!?」

 そこにはステファンに打ち込まれて防戦一方となっているヴェステラントがいた。

読んで下さり、ありがとうございます。

ロザリー、いろいろ面白そうな子です。

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