16 大番狂わせ
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とてもうれしいのでひさびさの夜投稿します!
「始めっ!」
試合が始まって、マデラインもカイルも少し戸惑っていた。
体格差があるとはわかっていたが、ここまで……。さっきのマックスとサーザとは全然違う。
16歳と18歳ではさすがのカイルも力では敵わない。
ライトがマデライン。
マックスがカイル。
先ほどの試合とは変わって、5年生ペアの方が相手を決めた流れになる。
ライトとマックスがお互いの背中を預けるような形になる。
マデラインはカイルをちらりと見た。
定石なら、自分達は分かれて、彼らを挟むようにするわけだが……。
マデラインとカイルは並んで対峙することにした。
ふたり離れて、1対1に持ち込まれたら……。それが向こうの作戦ではと思ったからだ。
少し打ち合うが、すぐに離れ、睨み合いが続く。
5年生もマデラインとカイルが離れないのを見て、同じように並んでの隊形となった。
ヴェステラントとアーノルドの対戦相手の4年生は、当たって砕けろ的な感じで作戦も何もなく突っ込んできた。
ヴェステラントとアーノルドは今年度6位で、ぎりぎり上位入賞ではあるが、下の学年のペアにも負けているし、がむしゃらに戦えば勝てるかもと思われたのかもしれない。
ヴェステラントは突っ込んできた4年生エイブを躱すと振り向きざまに背中に剣を強めに当てる。
その攻撃の勢いにエイブはその場に突っ伏すように倒れ込んだ。
「エイブ、負け!」
試合開始早々、負けのコールが響く。
もうひとりのマウロも「わぁああああ!」とアーノルドに打ち掛かったが、アーノルドに剣を弾かれてしまい、座りこんでじりじりと後退した。
降参を示す、両手を上げ「降参します」と呟いた。
「マウロ、負け!」
特に見どころもなく試合が終わってしまい、みんなもうひとつの試合、マデラインとカイル 対 マックスとライトの試合に注目が集まる。
試合を終え、マデラインの方を見たヴェステラントは呟いた。
「あの状態の持久戦はマディには不利だ」
「それはあのふたりもわかっているだろう。
でも、打ち合うよりは時間を稼げていい」
アーノルドがそう返した時に試合が大きく動いた。
マデラインがカイルより一歩前に出た。ライトが反応し払ってくる。マデラインは横に飛んで逃げ、ライトがさらにマデラインを追った。
「ライト! 背中!」
マックスの声にライトが振り向く。
自分の背後に距離があり、思ったより近くにカイルが迫ってきていて、ライトの背中を狙っていた。
マックスが踏みこんできて、カイルは剣を振るうことができずに下がる。
マックスの方へ戻るために後ろを向いたライトにマデラインの剣が迫る。
打ち合って払われ、マデラインは後ろ向きに素早く下がり、またライトは前に出ようとして、躊躇している。
カイルを気にして場所を確かめ……、その瞬間マデラインがさらに大きく動き、カイルと対峙していたマックスへ打ち掛かった。
予想していなかった攻撃に驚くマックス。
対峙していたカイルへ隙ができてしまい、胸に剣を当てられた。
信じられない表情のマックス。
「マックス、負け!」
どよめきが起こる。大番狂わせだ!
しかし、ライトがマデラインとの距離を詰めてきて打ち合いになる。
マデラインの方が防戦一方になり、バランスを崩す。
ライトが横に大きく払ってきて、マデラインはざっと地面に伏せて剣を避けた。
女性ならではの身体の柔らかさだ。しかし次の剣は避けられないかもしれない。
ニヤリと笑ったライトがマデラインの腹を蹴った。
剣を当てられるのに、わざと蹴ったのだろう。
しかし、試合の中で、剣以外の攻撃は認められている。顔や急所以外は反則にはならない。
ただ審判から見て必要性があるか、執拗な攻撃と見なされれば注意や反則になることもある。これぐらいの攻撃では……。
「マディ!」
カイルが守るように飛び込んでくる。
「ダメ!!」
マデイは叫ぶが、壮絶な打ち合いになり、カイルは剣を弾かれてしまい、転がって距離を取った。
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