11 ガチ?
どうぞよろしくお願いします。
カイルはマデラインを見て言った。
「さっきはありがとうな。
俺のことを、俺の将来のことを思って、あんなことを……」
マデラインは苦笑した。
「うーん、なんか、私というよりはヴェステラント殿下が頑張ってくれたね。
ヴェステラント殿下が引き出してくれた条件。
ちょっと厳しいけど、全くできないほどではない。
それに、カイルなら、男だから……、この条件に近い成績でも第一騎士団に入れるかもよ」
「いや、ヴェステラント殿下はマディのことだけを考えて、言ったんだよ。
マディが俺のことを言い出したから、すっごいかなしそうな顔してたよ」
「えっ!?」
マデラインは驚いた顔をした。
「そう、だった……?」
「うん、ヴェステラント殿下は、マディのことを本当に好きなんだな」
「えっ?
そんなこと……」
「何言ってんだ。好きじゃなきゃ婚約申し込まないだろ!」
「……って、何か利用ってか……」
「ヴェステラント殿下がマディを利用?
それこそ、なんで?」
「……ん、いや、ステファン殿下が結婚したら、次はヴェステラント殿下じゃない?
その、女避けとか?」
「なんで避ける必要が?」
「あ、うーん……」
「なに? マディはそんな風に考えていたから、任務とか言ってたのか?
……あれ、ガチだぞ」
「ガチ?」
「マディのこと本当に好きなんだと思うな」
「うえっ!?」
「なんだよ、その反応」
「いや、私だよ!?
『騎士令嬢』ならまだいいほう。
『大女』『男女』とか言われてる、私だよ!?」
「……マディはきれいだよ。
確かに女性にしては背が高いけど。
マディより背が低い男、負けた男がやっかんで言っているんだと思う。
鍛えてるから身体つきもしっかりしているように見える。
でも、それは男みたいにじゃない。
十分、女性らしいし。かわいいところもあるよ」
「うえ……」
マデラインが顔を赤くして照れている。
カイルはその様子を見て苦笑した。
「そういうところがかわいいんだよ。
ヴェステラント殿下にもっとそういうところを見せていかないと!
ほら、着替えて集合!」
「うん……」
ふたりは仕度のために分かれた。
「いや、かわいいって……。
そういうことじゃなくて……。
ヴェステラント殿下が私に求めているのは、強さ!
そして、本当に気になる人との関係ができあがるまでの時間稼ぎ!
うん、気にしない、気にしない!!」
マデラインは自分に言い聞かせながら歩いていた。
「はあ、ヴェステラント殿下、マジガチだろ、あれ。
マディのこと、本当に思って、大切にしてる。
別に隠してるわけじゃないのに、なんでマディは気がつかないんだ!?
……俺のこと、変に誤解しないといいけど」
カイルはランチの時のヴェステラント殿下の声や表情を思い出したようで苦笑した。
読んで下さり、ありがとうございます。
カイルは子爵家の次男なので、騎士団就職が絶対です。
ナイスアシスト、なのか?




