レポート36 勇者、もし闘わば
ユメオくんに愛の手を差し延べる人、現れませんでしたね。
では、ユメオくんには自力で、謎を解いてもらいましょう。
見ることのできなかった数字を、果たしてドンチーゴリラに答えることはできるのか?
では、どうぞ。
敵に背中を向けたらやられる。ぼくは無双だ、なんとかなる。
「いくつだ?」
ドンチーゴリラが、分厚い唇を歪めて訊いてくる。
数字だ。数字を答えるんだ。そうしたら、この怪物に勝てる。
「どうした? さてはおまえ、わかってないな」
チラッと感想欄を見る。嗚呼。やっぱり今回も、反応はなかった。もっと人気者になれるように努力していればよかった。ウンコのことばっかり書いて、きっと女子に引かれてしまったのだ。
「おまえの仲間たちは、みーんな樽に閉じ込めちゃったぞ。どれ、おまえも殴り殺して、全員まとめて谷底に葬ってやろっかなー」
ドンチーゴリラが、右足を一歩踏み出す。後ろには下がれない。そっちは垂直の崖だ。かといって、横にもまわれない。ドンチーゴリラの腕はべらぼうに長いから、どんなにダッシュしても確実にぶん殴られてしまう。
さあ考えろ。この山のてっべんには、数字が刻まれている。なぜ数字なんだ。なぜそれを答えたら、ボスを倒せるんだ?
無双パワーで、頭をフル回転させた。
なぜ頂上なんだ。ひょっとしてこの山は、頂上まで辿り着く勇気を試しているのだろうか? だとすると、数字というのはもしや、その者の知恵を試しているのではないか?
とすれば、推理でわかるかもしれない。山の頂上に刻まれている数字……刻まれているということは、決して消えない数字だ。誰かが勝手に書き換えることもできない。だからその数字は、頂上そのものと結びついていて……
「あ」
ひらめいた。天から光が射してきて、13桁の数字がパッと浮かんだ。
「そろそろ年貢の納めどきだな。おれ様のスレッジハンマーで、昇天するがいい!」
ドンチーゴリラの奥まった目が、殺気を帯びて光った。
「待て。数字を言おう」
「は? でたらめだったら、殴り殺すよ」
「山のてっぺんに刻まれている数字。それはズバリ、3兆(山頂:3000000000000)だ!」
「ゴ、ゴ、ゴ、ゴリーッ!」
ドンチーゴリラを、倒した。
「ユメオーっ!」
フラの呼び声に、顔をあげた。南側の斜面を、パーティーの仲間たちが駆けあがってくる。
フラ、ガル、門番、アドバイ爺。
みんな生きていた。良かった……と、仲間の笑顔を見たとたん、膝の力が抜けて、その場にへたり込んだ。
「ありがとう。あなたは命の恩人よ!」
フラに抱き締められた。ああ、やっぱり女の子の柔らかさは気持ちいい。どうしてこんなに気持ちいいんだろう? これは神秘だ。まだまだこの世界には、ぼくの知らない神秘がたくさんある。それを知るために、ぼくはこれからも冒険を続けよう。
すっくと立った。さあ旅立とう。次は街だ。ぼくはそこで、女の子のいろいろな秘密を知るのだ!
「見て」
フラが西側の斜面を指差した。みんなでそっちへ行って、下を見た。
するとーー
見たこともないような宝が、そこにあった。
PV876
LV8
フフフ。誰も答えがわからなかったようだね。読者、敗れたり。
参加を呼びかけて応答ゼロというのは、もはや繰り返しのギャグみたいになってきました。
なんとなく、サイン会の参加者がゼロ人だった、ジョイマンさんのことを思い出しました。
あの面白いジョイマンさんでさえ、そういうこともあるのですから、ぼくなんかは当然のことです。




