レポート35 もし、勇者退かば
お詫びと訂正です。
前回の後書きで、ハイパーテキスト小説「99人の最終電車」の作者名を岡嶋二人先生と書きましたが、厳密に言えば、井上夢人先生名義でした。その箇所はすでに改稿して修正済みです。大変失礼いたしました。
ところで。
この作者名のちがい、わかりますか?
そのあたりのあれこれについては、井上夢人先生の、えっ、そこまで創作の秘密をバラしていいんですかとハラハラするスーパー傑作エッセイ集の「おかしな二人」に詳しいので、そちらを参照してください。
まだ数字がわからない。ここはひとまずバトルから逃げて、仲間と合流するのだ。
「いくつだ?」
ドンチーゴリラが、分厚い唇を歪めて訊いてくる。
後ろには下がれない。そっちは垂直の崖だ。逃げるなら、西側か南側の斜面を一気に滑り降りるしかない。
ぼくは、あったかウェアのポケットに手を入れて、1本だけ持ってきたバナナを握り締めた。
「どうした、小僧。おまえの仲間たちなら、みーんな樽に閉じ込めちゃったぞ。救けたいんだったら、早く数字を答えろ」
フラたちを閉じ込めた? もしそれが本当なら、首尾良くここから逃げられたとしても、仲間を見殺しにすることになる。仲間を喪ったら、もはや冒険をする意味はない。
「仲間たちを、どうする気だ?」
「数字を正しく言えなかったら、殺しちゃうよん」
「数字、数字ね……えっと、1桁だっけ?」
「はあ? おまえ、さてはなんにもわかってないな」
ドンチーゴリラの奥まった目が、殺気を帯びた。
無理だ。でたらめに数字を言って、当たるはずがない。やっばり逃げよう。そして、今度はバナナを千本くらいゲットしてから、もう一度チャレンジするのだ。できるだけ長くドンチーゴリラの気を逸らして、氷を溶かすことができたら、刻まれた数字を読むことができ、仲間を助けることもできるかもしれない。
「さあ、いくつだっ!」
ドンチーゴリラが、右足を踏み出してきた。ぼくはその足のすぐ横に、バナナを放った。
「ん……冷凍バナナ?」
ドンチーゴリラが首を右に向ける。その瞬間、ぼくはゴリラの左側をすり抜けるべく、猛然とダッシュした。
「スレッジハンマー!!」
ドンチーゴリラの咆哮が、轟いた。
ぼくは後頭部に衝撃を感じ、地面に顔から突っ込んだ。
全身が痺れて動けない。やられた。ボスの必殺技を、まんまと食らってしまった。
「あれ? 数字を言えなかったら、殴り殺されるって聞いてなかった? なんで数字を言わないで、逃げようとするのかなー」
ゴリラに背中を踏まれた。もはやこれまで。ぼくは女の子のいろんな秘密を知ることもなく、誰も見てない山のてっぺんで、春休みの最中に、あえなく17年の生涯を閉じることになった。
ああ。新学期が始まったら、ぼくの机には、きっと花瓶が置かれるのでしょうね。
「ジ・エンドだ。おまえを踏み潰したら、仲間と一緒に谷底に葬ってやる。そこで楽しい夢でも見るんだな。ユ・メ・オくん」
チクショウ。いったぼくは、どこでまちがったんだ。やっぱり主人公が、ボスとのバトルから逃げちゃいけなかったんだ。そうだ、よくよく考えたら、そんな勇者いるわけないじゃないか!
選択を誤った、と後悔のほぞを噛んだとき、背骨がポキッと鳴った。
パーティーは、全滅しました……
*あなたはまちがった選択をして、ゲームオーバーになりました。
ダメじゃないですか。どうして逃げることにしたんです? 数字なら、わかってたはずですよ。
と、ここで、ミステリーファンのはしくれとして、一度はやってみたかった例のやつを。
〈読者への挑戦!〉
作者は挑戦する。
数字を当ててみたまえ。
ここまでわたしの連載を読んできた諸君には、一目瞭然のはずである。
わたしはあからさまに書いている。隠そうともしていない。読者のすぐ目の前に、大胆に、露骨に、親切に、愛をもってその数字を示しつづけてきた。
まだわからない?
もう一度、レポート26か33を見たまえ(そうすると、PVが増える)。どう? はっきり書いてあったでしょ?
え? 書いてないって? まったく、どこ読んでんのかなー。
じゃあ大サービスでヒントを出そう。その数字は、ズバリ13桁です。
13桁っていったら、ほら、あれしかないでしょ?
もうわかりましたね。では、その数字を感想欄に書き込んで、ユメオくんに教えてあげてください。そしてレポート36へと進んでください。
正しく教えてくださった方には、賞品はでませんが、本文中でお礼を述べさせていただきます。もし投稿されている作品がありましたら、そのタイトルを本文中で紹介いたします。
締め切りは、明日、4月4日の18時までとさせていただきます。理由は書かなくて、数字だけでOKです。
ご参加、お待ちしてまーす!
PV857
LV8
ん? なんか急に、PVが増えたぞ。
3月31日から、突然PVが増えだした。
いっときの現象かもしれないけど、今は素直に嬉しい。




