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第二十七話 あの日の私。
――あの日。
私はまだ、小さかった。
今よりずっと短い髪。
今よりずっと幼い顔。
そして。
まだ、自分のことを「男の子」だとか「女の子」だとか。
そんなことを深く考えていなかった。
「湊ー!」
「早くー!」
公園の入り口から声が聞こえる。
「今行く!」
私は走った。
そこにいたのは。
「遅いよ、湊」
凛ちゃん。
「湊、今日何して遊ぶ?」
桜ちゃん。
二人とも、私の大切な友達だった。
「鬼ごっこ!」
「また?」
「だって楽しいじゃん!」
私は笑った。
「じゃあ、じゃんけんで鬼決めよう!」
「いいよ」
「負けないからね!」
三人でじゃんけんをする。
「じゃんけん――」
「ぽん!」
「……あ」
私が負けた。
「やった!」
「湊が鬼ね」
「えー!」
二人が笑いながら走っていく。
「待ってよ!」
私も二人を追いかけた。
あの頃は。
毎日が楽しかった。
学校が終われば三人で遊んで。
公園に行って。
くだらないことで笑って。
夕方になったら帰る。
それが当たり前だった。
◇
「ねえ、湊」
「ん?」
ある日の帰り道。
桜ちゃんが突然、私に話しかけた。




