第29話 本日の運勢は
レストランを後にしてカピパラのお姉さんが言っていた方角へと歩いた。
八百屋や雑貨屋などが並んでいて賑わっている。歩いているだけで楽しい。少し先に人だかりができているのが見えた。もしかしたらあれかもしれない。クジ券を持った人たちが列をなしている。
「ガラガラタイプか」
「なにそれ」
レバーを回して円柱状の木の箱を回しているようだ。
「ぐるぐる回るやつを回して出てくる球の色で景品が決まるやつだにゃ」
「なるほど。」
かなり説明が適当だけど言いたいことは実物があったからわかった。一見は百聞になんとやらとニニギさんが言っていたな。
「並んでるのは果物とか野菜が多いな」
「あれが外れクジにゃ」
「でも果物とかしかないけど」
「ああいうタイプは大抵一番いいのは果物一年分とかにゃ。もっと金目のものとかあるのかと思ったけど食べ物だけか。思ったよりしょぼいにゃ」
「ま、まあまあ」
よく目の前で並んでいる人とかいるのにそういうこと言うな。マイペースさはやはり猫だからか。馬車を引いてきたであろう馬がリンゴを貰っている。ハズレでもりんごが貰えるなら結構嬉しいかも。沢山もあってもガルニエに持っていくのが大変だし。
「まぁまぁそう言わずに!じゃ並ぶか!目指せ果物1年分!」
フレンはこの先の苦労は気にしないタイプだった。
列に並んだ。大抵は出てくる球は白で果物一個を自分で選ぶタイプ。青色だと2個、緑だと3個といった具合のようだ。
フレンの番がきた。
「当たれ一等!」
ぐるぐる回して出たのは青色だった。
「はい。おめでとう。好きなの2個選んでね」
「ふぁい」
泣いているフレンはハリネズミの亜人さんに慰められていた。
次は僕の番だ。この感じはなんだかんだでいいのが当たったりするのだ。最近の僕は頑張っているからきっと神様がいい玉を出してくれるだろう。
僕の知ってる神様の面々が思い浮かんだ。
何故だろう。こういう方面はあんまり頼りにならない気がする。回した。緑だった。
「はい三つ選んでね」
まぁうん。神様に頼らないで地に足をつけて生きていこう。
「果物正直そんなに魅力無いにゃ」
そんなことを言いながらガラガラを回すトゥエンさん。案外要らないという人が当たったりするのだよな。
「おめでとうございます!!ついに出ました一等!!!!」
ベルをカランカランと鳴らしながらトゥエンさんの右手を上げられていた。って言ってたらほんとに当たったよ!
「え、当たったんですか!」
「マジ!?すごいじゃないですか!!」
「えぇ……。こんな量持ち帰れにゃいし要らにゃい」
まさか本当に当たるとは。あんまり嬉しくさなそうだ。
「一等賞はこちら!!」
しかしどうやって持って帰ろうか。キエリスさんこの街にいたりしないかな。いなければ馬車を借りてガルニエまで持っていくか。
「馬一頭です!!!!」
「そうそう馬を貸して欲しくてですね。え?」
「賞品果物じゃないんですか?」
「いえ。こちらの馬になります!おめでとうございます!」
白いふわふわのトゥエンさんの手を掲げられているが当の本人はもはや迷惑そうだ。
「おおおおおお」
「いいなぁ」
「あちゃー当てられたかー」
周りの人達が残念がっている。ここ結構田舎だから現金とかよりも家畜などの労働力が必要なのだろう。となると、この街では馬が一番価値があるのかもしれない。普通の家庭にはラウラさんはいないからな。そう考えると結構便利かもしれない。
が、幸運なことに我らがFlying Twinkle Caravanにはキエリス副団長、ラウラさんその他大勢の力持ちかつ輸送に長けた人達が多い。お馬ちゃんは正直出る幕がない。
トゥエンさんが馬を引いて近づいてきた。迷惑そうな顔をしていたけど少し撫でているうちに打ち解けたらしく上機嫌になっていた。気ままな人だ。
「コイツはトゥエンチャンズブロックと名付けることにしたにゃ」
「競走馬みたいな名前付けますね」
「聞いたら二歳馬らしい。本格化はこれからにゃ!行くぞトゥエンチャンズブロック!一緒にターフを駆けて優駿の称号を勝ち取りに行くのにゃ!!!」
「人格変わってないですか」
トゥエンチャンズブロックはとてもおとなしく付いてきた。
「にゃはは。くすぐったいにゃぁ」
時折トゥエンさんを舐めている。もう懐いているようだ。
「こいつ結構尻もぷりっとしてて馬力ありそうにゃ。にゃかにゃか気に入ったにゃ」
「どうします?トゥエンチャンズブロック。ガルニエ連れて行きます?」
「でも飼うスペースないぞ」
「だよねぇ」
「冷静に考えたらそうだにゃ。馬はメリチェルだけで十分だったにゃ」
「ヒヒン……」
落ち込んでいるトゥエンチャンズブロック。言葉がわかる賢い馬だ。
「実際の馬とユニコーンの亜人を引き合いに出すのはどうなんですか……」
「ツノがあるかないかでそんなに変わらにゃいさ」
「そこの違いを言っているわけじゃないです」
「そこら辺に放つ訳にもいかないし誰かにあげるか、売るとか?」
「馬が欲しい人か」
フレンと顔を見合わせた。そうだ。あそこしかない。




