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Stellacce Twinkle  作者: 橿原るり
第三幕 イビポランマラン編
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90/95

第22話 密着!公演日のプレンツ君

翌朝。今日は公演日。

 17時頃から準備が出来次第観客を入場を開放し18時公演開始の予定だ。

 トラブルなどがなければ朝食を食べてすぐ魔法抜きの通しをやる。魔法抜きなのは当日に舞台やセット、観客席が壊れると間に合わなくなるからだ。日によってはほぼ再調整を行う場合もある。キャスト陣は諸々の確認、僕達裏方はお客様の動線やお手洗いの掃除、観客席の不具合がないかなどを確認して回る。


 今回は休みが3日あったのもありここはほぼ問題なし。やってること自体は大したことではないけど、ガルニエは大きすぎるからこんな作業でもくまなくやるとかなり時間がかかるのだ。


 そうこうしてるとお昼の時間になり、ご飯を食べる。食べ終わったらキャスト陣は衣装を着たりお化粧をしたりする。大抵はみんな自分でやるけど、特殊メイクや仕上げはマティエンコさんが行なっている。


 マティエンコさんは背が高くて長い黒髪を後頭部でお団子にした背が高い男性。お化粧と言ったら詳しいのはやはり女性なのではと思ったのだけど、マティエンコさんは心は乙女だそうだ。女装をしているおじ……お姉さんだ。ネイル、スタイリングなんでもござれのスタイリストさん。昔はすっごく太っていたらしいけど今は見る影もない。


 僕も少しだけお化粧を教わっていていてお客様の前に出る時にはお化粧をしておいている。僕の場合はほんとに薄くだけど。それでもやるとやらないとでは顔の印象が少し変わる気がする。結構奥深い世界だ。ジェマさんはこの衣装合わせの時が一番忙しい。キャスト全員分の姿を見て最後に微調整をするからだ。セットの準備や小道具、大道具のセッテイングを手伝っていたらいつのまにか17時になっている。


チケットを確認して近い通路へ誘導。体の大きい人は席を変えたり、迷子になった子供の案内会場や通路の見回り、ガルニエの周辺の確認などを行う。


 ルミオさん達はVIP席(バルコニーと呼んだりする。所謂VIP個室)へのドリンクなども用意する。やはりお客様が会場に入ってからも大変だ。


 舞台が始まる前のオーケストラピットに音楽隊が入り、チューニングをしているところで会場内は薄暗くなる。少しのざわめきとちょっとした暗闇、そして綺麗な音色のチューニングが響き渡る。この空気はとてもいい。如何にも僕らの舞台が始まるぞって感じのプレリュードだ。


 そして舞台が始まる。だいたい2時間ほどで公演は終わり、お客様が帰られた後、また観客席の見回りをする。たまに落とし物があったりするからちゃんと確認しなければならない。舞台で傷ついたところがあればキマキさん達に教えてひとまずは公演は終了だ。僕はこの程度しかやってないけどルミオさん達そして、キャスト陣はもっといろいろ大変なんだろうな。あとは夜ご飯を食べて、各担当の仕事が終わったら自由時間だ。


 大体20時に公演が終わってお客様が帰られて大体1時間で閉場。公演後にちょっとしたグッズなんかも売ってるからそれの受付とかもしている。

これが結構売れるのだ。設定ブックや作中で出てきたものをグッズにしたりしている。

 パンフレットなどは全部ナレアさんがイラストも含めて書いているらしい。絵本作家志望だからとっても絵も上手いし、小さな子供でも分かりやすい。

 あとはガルニエ自体の小さな模型なども売っている。公演を観に来た人でないと買えないから他所では高価な値段で取引されているらしい。たまに偽物も流通しているそうでガルニエにも何故かクレームが来るそうだ。


団長曰く

「悪い奴らを遠隔で懲らしめる魔法があったらねぇ」

だそうだ。悪いことはしないで地に足つけて働こう。


ざっと劇場内の点検を30分。(キャストはお化粧を落としたり着替え。)夕飯が大体40分ほど。

となんだかんだですぐに11時頃になってしまうのだ。公演の日は本当に忙しい。

 そこからは食堂にあるバーカウンターで飲んでる人もいたり、街に遊びに行く人もいる。

 前は繁華街のど真ん中だったし首都だったから夜まで開いているお店も多かったけど、ここは人はそこそこいるけど田舎だから夜遊びには向いていないかもしれない。ちなみにこれは一日に一回だけの公演の場合だ。


 いろんな事情で一日2回公演がある時がある。国の事情だったり、こちらの事情だったり状況は様々だけど滞在日数は決まっているから買ってもらったチケット分は何とか補填してあげるのだ。終わる時間自体は変わらないけどやはり大変だ。


 自由時間の過ごし方はみんな様々だけど僕はお風呂に入ったら眠くなって寝てしまう。ほとんどの場合、公演は三日やって一日休みのサイクルだからあと二日経てばお休みだ。


 休みと言っても公演の準備や劇場の修繕を行う。団長は舞台もやるし事務手続きもやるしキエリスさんと飛んでどこか行くし、しゃぼん玉も作るし、雑務その他諸々もやるしで、あの人こそ飛んで瞬いてFlying Twinkleって感じだ。側から見ていても団長は本当によくやっていると思う。いや本当に。


 この国に来てさらっと明かされた半神でしたというカミングアウト。想像していた神様の日々とは全くもって違う。人間だろうと神様だろうと、生きていく上での苦労指数みたいなものはそんなに変わらないのかもしれない。


 さて、少し早いが僕は寝る。憂鬱ではあるけど団長の頼みでもあるから明日は早起きだ。

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