第12話 イビポランマラン公演開幕!
あれからまた数日が経ちついにイビポランマラン初公演が始まる日を迎えた。チケットも満員御礼。もう後には引けない。
お客さんを劇場に入れる前に演者、裏方みんな集まってもらった。もちろんオーケストラ隊も。
「さぁ!みんなついにこの日がやってきたね。Flying Twinkle Caravan のイビポランマラン公演初日だ。緊張しているかもしれないけど、その緊張は高揚しているという証拠だ。その高揚を自分のものにしよう。そしてオーケストラ隊の皆さん。短い期間で仕上げてくれてありがとうございました。練習通り素晴らしい音楽をよろしくお願いします。では早速。みんな〜なんで舞台に立つの〜?」
「舞台が好きだから!」
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嵐が去った日の海はまだ険しい顔をしている。
数日もすればいつも通りの漣が聞こえてくるだろう。
今日はいつもよりも流木が多い。
この海岸にはちょっとした逸話が残っている。
かつて男女の神様が愛を育んだ浜辺なのだそうだ。
そんなこの浜辺には時折、時代が変わるようなものが流れてついてくると。
時代が変わるものが流れつくって良いことなの?それとも悪いもの?
良いもの悪いものなんて人によって違うかもしれない。
けど、こんな綺麗な海なのだから良いものに違いないと私は信じていた。お父さんの船は今日は時化が酷いから出ないと言っていた。残念ながら今日も魚は店頭には並ばない。
弟と遊ぶのも飽きたころだったので海を見にきた。確かにこの波で漁に出るのは厳しい。
流されてきたゴミや流木を見ながら歩いていると何か黒いものが落ちているのが見えた。波打ち際で波に打たれている。船の部位かな。結構大きい。どうやら生き物のようだ。
鯨?イルカ?サメ?砂浜まで打ち上がっていたということはもう死んじゃったかな。
恐る恐る近づいてみた。
亜人だ。可愛らしい顔をしている。体型を見るに女の子だろうか。安全な場所へ避難しなくては。なんと都合のいいことに車輪が一つ欠けた台車が流れついていた。
「ふん!ぬぬぬぬっ!」
亜人さんを持ち上げて台車に乗せた。このまま誰かに見つかったらこの子が何をされるかわからない。ひとまず私の秘密基地へ運ぼう。
嵐の後の海はまだ険しい顔をしている。
けど、空は昨日の嵐が嘘のような晴天で痛いぐらいの日差しが私たちに降り注いでいた。
時代が変わってしまうもの、いいものが流れ着く。
昔話で話されるあの逸話が頭の中で駆け巡っていた。
「きっとこの子が時代を変えるんだ!」




