第42話 目を閉じても
ミッケさん達が作ったであろうご飯を食べた。
ニンニクと生姜の匂いがかなりすごい鶏ガラの卵スープとお粥のようなものだった。
この卵スープとんでもなく美味しい。久しぶりのご飯だというのもあるけど、シンプルに食欲を誘うニンニクと程よい塩気、そして飲めば喉から胃まで熱くなる生姜。
この味付けはミッケさんではない気がするな。
あの双子達の故郷の味だろうか。
ご飯を食べてまた横になった。まだ薄ら頭痛がする。
お腹が満たされて眠気が出てきた。
ぼくは今、気を紛らせようとしている。
何も考えないように、あの日のことを思い出さないように。
団長はああは言ったけど。言ったけど、やはり不甲斐なかったのはぼくであるのは間違いない。
ぼくを庇って命を落としたんだ。
ぼくに責任がないわけがない。
団長は優しすぎる。
少しはお前のせいだと言ってくれた方が余程言い訳をしてやるのに。
言い訳を。
…
……
言い訳をしたってこの現状が変わるわけではない。
団長達と会ったあの荒野だって、ぼくと同じことを思った人が沢山いたはずだ。
これはあの悪行を止めなかったぼくの罪か。
意識を覚ましてからずっとあの笑顔とあの最後の瞬間がフラッシュバックする。
きっともう逃れることはできない。向き合わなくてはならない。
いや、向き合いたいんじゃない。
ぼくはただ、もう一度
「君に、会いたい」
子供の様に啜り泣いたのはいつぶりだろうか。
いや、こんな気持ちで泣いたことは一度もない。
そういえばあの時、ぼくに何かを言っていた。
あれは一体何を言っていたんだろう。
泣くのにも疲れていつのまにか寝てしまっていた。
夢の中で何度もあの光景を見たけどやはり最期の言葉は思い出せなかった。
次の日、身体はすっかり元気になっていた。
みんなには心配をかけてしまった。
そして朝病室に来てくれた団長からこんなことを言われた。
「実は今日葬儀と埋葬をすると連絡をもらってね。私とキエリス、ニニギ、フレンは出席しようと思うんだけど。プレンツは、その、どうする?まだ体調が優れないなら無理はして欲しくないんだ」
「行きます。」
「……わかった。じゃみんな行こうか。」
こうして、再び村へと向かった。




