第3話 酒が並ぶテーブルは絵画のように
腹の虫を手で押さえ街の様子を見て歩いていくとフレンが足を止めた。綺麗なレストランの窓からむさ苦しいメンバーが見えた。アヴェラルさんがこちらをみて手招きしている。僕たちは手を振りかえした。
「やったなプレンツ。飯代が浮いたぞ」
「ラッキーだったね」
日が落ちて一段と寒くなってきていた。店員さんに挨拶をして中に入る。お店に入ると暖かくそして空腹には堪え難い匂いを纏った空気が僕らを包んだ。体の先端という先端に血が通っていくようだ。
アヴェラル「よお。お前ら引っ越しは済んだか?」
大人達はつまみを食べながら既に始まっている様だった。美味しそうな料理が並んでいる。イビポランマランでは見なかった料理が多い。みんなビールやワインを楽しんでいたようだ。
プレンツ「ええ。なんとか。引っ越しというか部屋の片付けに時間がかかってしまいまして」
アヴェラル「はっはっはっは!そうなんだよな。何の荷物が多いかって結局は服なんだよな。服というか衣装だな」
フレン「確かに!言われてみれば部屋に転がってるのって服ばっかっすね!」
席にいたのはアヴェラルさん、ニニギさん、パトリックさん、ファロさん、レイモンドさんにマティエンコさんだった。なかなか年齢層が高い。
僕はマティエンコさんの隣に座った。フレンは向かいのレイモンドさんの隣だ。たまにアフロがフレンに刺さっている。いや包まれているがふさわしいか。
プレンツ「皆さんは終わったから飲み始まってるって感じですか?」
レイモンド「そういうこと。俺らオヤジたちは意外にも綺麗好きだから引っ越しもサクッと終わらせたのさ。服以外に溜め込んでるものなんてあんまねえからな」
ファロ「女性陣は多分まだやってるぜい。ありゃ夜更けまでやるんじゃねえか?」
アヴェラル「いつものことだな。おおっと、ツマミと酒ばかりで若いのが食うのがねえな」
アヴェラルさんが店員さんに目配せするとメニューが運ばれてきた。
マティエンコ「はいメニュー。遠慮しないで食べなさい。お腹減ってるでしょ」
プレンツ「ちょうど、何か食べようかって話をしながら歩いていたんです」
メニューを見た。おっと、ドイツ語か。ドイツ語は簡単なのしかわからないんだよなぁ。街でもドイツ語が並んでいたからうっすらそんな予感はしていたけど。
テーブルに並ぶツマミを見てみた。あの粘度の高そうな黄色い液体が入った鍋。あれは見たことがある。チーズフォンデュだ。
あとはカットされたサラミにチーズ、ソーセージ、あれは干し肉かな。あとはナッツにオリーブの実、クラッカーにパン。そしてあれは魚の煮物かな?
みんなのビールやワインなどグラス種類も相まって色鮮やかなテーブルになっている。
プレンツ「おすすめありますか?」
マティエンコ「そうねぇお腹が空いているならこのレシュティっていうじゃがいも料理がいいんじゃないかしら。あとはそうね、グラタンみたいな料理でアルプラーマグローネンってのも美味しいわよ。りんごのジャムが入っていてちょっと甘酸っぱいの。とりあえずこの二つ頼んでみる?どうせいっぱいいるんだしみんな食べるわよ」
料理の名前もどことなくドイツ語感があるな。実際ドイツ語なのかもしれないけど。グラタンにりんごのジャムか。正直全然味の想像がつかない。おかずではあるんだよな。けどなんかとってもオシャレな感じだ。
フレン「どっちも美味いぜ食ってみなって」
プレンツ「じゃそのふたつにします」
マティエンコ「わかったわ」
マティエンコさんが店員に目配せをした。店員さんはすかさず席へ近づいた。どうやら声を上げて店員さんを呼ぶようなことはしない方がいいらしい。
格式の高いお店ではアイコンタクトで店員さんを呼ぶと聞いたことがある。なかなかおしゃれなお店だからな。悪目立ちしないようにしよう。
マティエンコ「これとこれをお願い。あ、ドリンクは飲みたいの決まった?」
プレンツ「あーフルーツジュースをお願い、します」
フレン「俺はコークを」
ウエイター「はい。少々お待ちくださいね」
女性のウエイターさんはウインクをすると厨房へ向かった。なんとか僕のドイツ語は通じたみたいだ。ドリンクのメニューの一番上のものを読んだだけだが、多分フルーツジュースだろう。なんのフルーツかはわからないけど、まあ大丈夫だろう。そしてひとつ学んだ。どこの国に行ってもコークはコークだ。僕はこれからコーク信者になろう。慣れない国限定で。
厨房に消えるウエイターさんをなんとなく目で追っていた。なぜか気になると思ったらみんな人間だ。いやそうなんだけど、これまで亜人さんの方がよく目についたから新鮮味を覚えたのだ。そういえば街を歩いていても亜人は見かけなかったような。イビポランマランとは何から何まで全然違うな。一瞬で移動したから実感がないけどここ南米じゃなくて欧州だもんな。あ、注文の時にお金を払ってない。このお店は先払いではないんだな。治安がいい国なのだろう。
マティエンコ「プレンツ君はこの国初めてよね」
プレンツ「はい。この国のことは知ってはいましたけどこんな国だったとは。見てみないとわからないものですね」
レイモンド「この街の人になら俺らはめっちゃ有名人だ。特に団長はな」
マティエンコ「もし団長ちゃんと歩くことがあったら愛想良くしているのよ?ま、あんまり気にし過ぎても良くないけど」
フレン「ここが本拠地だからさ。この街の人ほとんどが舞台を見に来てくれてるんだ。そこら辺の映画俳優よりも余程団長の方が有名なんだ」
プレンツ「へ〜。そう言われるとなんか落ち着かないですね。四六時中見張られている感じがしてしまいます」
ファロ「パパラッチには気をつけた方がいいかもな!写真取られるなよプレンツ〜」
ニニギ「妙な噂が立たぬようにいかなる場所でも背筋を伸ばして歩まねばならないな」
なるほどそういうものなのか。人気者だとそういう肩身の狭い思いもすることがあるんだな。いつのまに僕はそんな人たちの一員になっていたとは。
プレンツ「気をつけます!」
アヴェラル「うむ。全くもって異論なし。そして有名人として街に金を落とさねばならない」
先程のウエイターさんが飲み物を持ってきてくれた。会釈をして受け取った。汗もかいて掃除をぶっとおしてやっていたからな。結構喉が渇いていた。ジュースに口をつけようとしたときアヴェラルさんがグラスを持って立ち上がった。
アヴェラル「ではここで乾杯の儀を行う」
おっと危ない。飲んでしまうところだった。そうだったそういうのがあったな。
ファロ「さっきもやったぜい」
アヴェラル「2人も加わったんだから仕切り直さねばならん。では先程とてもありがたいお言葉をいただいたニニギに音頭をとってもらおう」
ニニギ「うむ。では長旅皆ご苦労だった。舞台があり、災害がありと目が回るような日々ではあったが終わってみればこうして同じ卓で料理を食べ、酒を飲み旅路を振り返って笑えるのであれば上々。この出会い、この料理に今一度感謝を込めて。乾杯」
「乾杯!」
お店の扉が開く音がした。足音が二つ近づいてくる。
フェリックス「あれみんな」
ピーター「おや一足遅かったようだな」
アヴェラル「お!また夜の友が増えたぞ!」
レイモンド「もう一回やるしかねえな」
ファロ「いやもういいだろ」
* * * * * * *
「ラガーのビール2つで」
「は、はい!お待ちくださいませ!」
綺麗なドイツ語でウエイターさんに注文をしたフェリックスさん。
さっきのウエイターさんとは別の人で結構若いお姉さんだ。頬が赤かったような。走って厨房へ飛んでいった。なんだか急いでいるというか張り切っているというか。
プレンツ「フェリックスさん引っ越し早かったですね」
フェリックスさんといえば倉庫にあるあの楽器達の番人だからあれら全てを引っ越すのはかなり大変だと思っていた。なのに僕らとあまり変わらない時間で終わるとは。
フェリックス「ああ、さすがにあの量を人力は時間がかかるから一箇所に集めて一気にキエリスにやってもらったよ」
フレン「そりゃそうっすよね。あの量はラウラさん5人は欲しい」
フェリックス「ラウラ換算か。面白いね!確かに5人ぐらいは欲しいかも。でも一箇所に集めるだけなら僕だけでも何とかなるし。ついでに僕の荷物も一緒に移動してもらったからすんなり終わったよ」
マティエンコ「フェリックスが来たってことは大体終わったのかしら」
ピーター「ああ。あとは個人的に時間がかかっているだけだな」
ピーターさんはメイラジュさんと共に幻術を使う。
メイラジュさんは舞台の風景を、ピーターさんは人や魔法自体のエフェクトの幻術担当。ちなみにザーラさんは全部やってる。
若くも見えるしおじさんにも見える容姿をしている。髪は色多めのグレーな髪。多分アヴェラルさんとかと同じぐらいの歳なのではと予想している。セバスチャンさんと雰囲気がよく似ていて結構お茶目でイタズラ好きな人って感じだ。
フェリックス「みんなは自分で引っ越ししたんでしょ?大変だったね」
プレンツ「まあそれなりに」
ピーター「こういう力仕事の時はフェリックスさんがいると大助かりですよ」
フェリックス「手で持つよりかは楽だけどそれなりに疲れるんですよこれ」
フェリックスさんが右人差し指を伸ばして空でくるりと回した。
テーブルに置いてあったパンとサラミとチーズ、オリーブの実が宙に浮いてパンの上に乗った。
え、なに今の。
プレンツ「え、なんですか今の?ピーターさんですか?」
ピーターさんが周りの人と目を合わせて笑った。みんなも笑っている。なんだピーターさんの幻術で遊んだんじゃないのか?
先程まで宙に浮かんでいたパンが僕の目の前に飛んできて浮いている。
フェリックス「プレンツくん、それ手に取ってみて」
フェリックスさんに言われた通りチーズにサラミが乗ったパンを取った。触れるじゃん。幻術ではない。
フェリックス「プレンツくんには見せてなかったかもね。僕ってずっとピットの中にいるしあんまり絡まないしね。これが僕の血の魔法」
プレンツ「ええ!フェリックスさん魔法使えたんですか!?」
しかも血の魔法!?
フェリックス「別に隠していたわけじゃないけど、みんなの前で使うようなことってそうそうないからね」
マティエンコ「所謂サイコキネシスね。私のいた国では『見えない手』って呼ばれてたわ」
パトリック「私の地方では『幽霊の悪戯』と言われていたな」
ピーター「サイコキネシスはたまに持ってる人がいる血の魔法らしいよ」
全然知らなかった。フェリックスさん魔法使えたのか。
しかも血の魔法とは。予想だにしなかった。半年もここにいるのに。
プレンツ「は、初耳でした。つまり何でも物を浮かせられる魔法ってことなんですか?」
フェリックス「まぁーそうだね。浮かせたり動かすものの輪郭部分を動かしたりできるって感じかな」
プレンツ「なんだかすっごい便利な魔法じゃないですか!ベッドにいながら暮らせますね!」
フェリックス「さすがにどこかでボロが出そうだけどちょっとしたときに便利だね」
なんでも浮かせられて動かせるなんてザ魔法っぽい。童話とかでよくある魔法の杖をちょいちょいっと振って物を整理整頓したり服を畳んだりするのがイメージにある。日常使いでは一番活躍するのでは?
———あれ?
カミラさんやヴィーナさんが以前ラウラさんのダム放水を器用に操って遠くに飛ばしたり上空で溜めていたりしていたけどあれはサイコキネシスではないよな。似たような現象だけどフェリックスさんとカミラさんとでは何が違うんだろう?
フレン「血の魔法って代々伝わるものって聞いたことありますね」
そういえばそんな話も噂程度で聞いたことがあるな。サイコキネシスは世界でもたまに現れる魔法の一種ということは。
プレンツ「フェリックスさんの家系って子沢山だったり?」
フェリックス「世界中で割といる血の魔法だからってこと?ん〜どうだろうね。孤児だったからわかんないな。でも多分サイコはそういうんじゃないらしいよ。親がサイコの力を持ってても子には伝わらなかったり、はたまたその逆だったり。アメデオさんに聞けばきっと難しい科学の話と共に教えてくれるはずだよ」
血の魔法といえばキエリスさんってイメージがあった。今の今までフェリックスさんが魔法を使っているところを見たことがなかった。だから勝手に魔法が使えない人だと思っていた。ナレアさんのような魔法が使えなくても舞台に貢献できる人だし。
フェリックス「サイコは便利だけどちょっと水出したり火つけてみたりとかできないからみんながちょっと羨ましいよ」
フレン「らしいですね。血の魔法は血の魔法しか使えないってやつ」
フェリックス「そうなんだよねー。ちょこっとでも使えればいいんだけどね。ま、仕方がない。おかげで今があるみたいなもんだし」
プレンツ「さっきみたいに自由にものを浮かせて動かせるなんてそれこそ便利じゃないですか」
フェリックス「まあそうだね。子供の頃は力に気づいても棒切れを浮かすぐらいしかできなかったけど使ってくうちにいろいろできるようになったんだ。血の魔法って使い方によって同じ血の魔法でもやれることが変わるらしいよ?サイコはそんなに幅なさそうだけど」
プレンツ「そうなんですか。不思議ですね」
フェリックス「血の魔法って全然解明されてないからね。ま、アメデオさん目線ではどの魔法もそうらしいけど」
血の魔法を使える人自体も少ないから研究が進んでないのは仕方のないことなのだろう。
それにしても。フェリックスさんってイケメンだし、背高いし、大人だし、金髪碧眼で音楽もできて欠点がないな。しかもそんな希少な血の魔法も使える。仕事の役割的に舞台に立つことはないけど男性陣で一番華があるのはフェリックスさんなのでは?
マティエンコ「血の魔法も生まれた時から持っているパターンと途中で開花するパターンがあるらしいわよね」
フェリックス「僕は先天的だね。ここの人はみんなそうなんじゃない?」
パトリック「諸説あるが、血の魔法を宿していても発現できるほどの魔力がないと自分で気づくことも難しいからな。実は魔法が使えないと思っていた者がある程度成長して力を発現できるようになっただけかもしれない」
ファロ「ってことは」
レイモンド「俺も血の魔法を!?」
パトリック「お前達は普通の魔法が使えているだろう」
レイモンド「そうでした」
ニニギ「だが、途中で発現する例は確かにあるらしいぞ。昔は魔法を使えていたのにいつのまにか使えなくなっていた。実は自他ともに気づかない間に血の魔法の保持者になっていた、なんてな」
一同「へ〜」
ある日突然使えていた魔法が使えなくなるってちょっと怖いな。僕ならなんらかの病気か何かかと疑ってしまう。
あ、そういえば
プレンツ「マティエンコさんが魔法を使っているところ見たことないんですけど、マティエンコさんも実は血の魔法とか持ってたりするんですか?」
男性だけど、女性のような仕草をする心は乙女なマティエンコさん。みんなの凄腕スタイリストだけど、実は何か魔法でお化粧なりをしているのでは!?
マティエンコ「いいえ。血の魔法とかないわよ私。でも言われてみればこの劇団についていく前はたまにだけど魔法使っていたわね。けどいつのまにか使わなくなってたわ」
マティエンコさんが手をくるりと回して掌を上に向ける。
マティエンコ「やっぱりダメね。私の場合は普段使っていないのと加齢による衰退ね。嫌だ嫌だ」
レイモンド「結構使えてたのか?」
マティエンコ「いえ?あんた達ほど色々できたわけじゃなかったわ。頻度もたまにだけだし。あんた達が100とすれば私は5ぐらい。5が0になったぐらいで別に悲しまないわよ」
そうだったのか。僕は団長ほどではないけど人の魔力には敏感な方だ。多分僕の力の性質上からなんだろうけど。
マティエンコさんはああは言っていたけど、僕はそれなりにマティエンコさんは力がある人だと隣に座って感じたのだ。血の魔法があるのでは、とは別に当てずっぽうで言ったわけではない。周りがすごい人ばかりだからフェリックスさんみたいに見逃してしまう時もあるけど———
マティエンコ「血の魔法を使える人に触ってるだけで血の魔法を使えるなんてやっぱり団長はぶっ飛んでるわ」
そういえばこの団に来た時にそんなこと言ってたな。
プレンツ「じゃフェリックスさんのそのサイコキネシスも?」
フェリックス「ああ。肩を持たれただけで簡単そうに扱ってたよ。結構練習してここまでなったのにさ」
パトリック「キエリスの転移は難しい様だぞ。以前練習しているのを見た」
フレン「団長が魔法の練習してるの見たことないっすね。それ相当珍しいことなんじゃないですか」
パトリック「そうかもしれないな。キエリスが感覚派で団長が苦労していた」
キエリスさんがオノマトペオンパレードの練習をしているのが思い浮かぶ。賑やかな練習風景なのだろう。
レイモンド「会った時から俺の魔法も一発で真似されたな」
アヴェラル「そういえばそんなこともあったな。さすが半分は神というべきか」
プレンツ「ってことはニニギさんも同じことができるんですか?」
ステラッチェ団長は半神だけどニニギさんやザーラさんは正真正銘の神様だ。団長ができるのはこの方々もできるのでは。神様って目が特殊らしいし。
ニニギ「いや。我は剣技が少しできるだけだ。他の魔法も団長のように見ただけで模擬など到底できん」
プレンツ「え!そうなんですか!?」
アヴェラル「ザーラだって同じだぞ。あと触っている血の魔法保持者の力を使えるなんて色々世界を見てきたが団長だけだ」
プレンツ「なる……ほど」
過去に言っていた。見ただけで完全に模擬できる。出力は団長の魔力で出せると。そして血の魔法を使える人に触れていればその血の魔法を使えると。
もう随分この団にいる気がするけど団長のことを僕はまるでわかっていない。桁違いにいろいろできる人だからな。情報が多すぎて逆に掴みづらい。
プレンツ「そういえばこの国にも神様いるんですよね」
フェリックス「ああ。そっか。そっちもそりゃ知らないか」
ピーター「たまにミサをやっているからその時に教会に行けば会える。直接話せるかはわからないが」
プレンツ「どんな神様なんですか?」
僕の質問に一同口を閉じた。わりとやいのやいのと言っていたお酒の席に静寂が訪れる。
あんまりこの話題しない方がいいのだろうか。結構怖い神様だったりすのか。実はみんな一度大目玉を喰らっているとか?
フェリックス「プレンツが今まで会ってきたような神様のタイプとは違うかな」
マティエンコ「別に悪い神様ではないわよ」
レイモンド「なんていうかあーんまりお近づきにはなれない存在っていうかな」
ファロ「おれちんは最初見た時、怖!って思ったな。別に何されたわけでもないし口調は穏やかなんだけどなーんだろうな」
ニニギ「なに。無礼を働いたからといって取って食われることはないさ。ただプレンツが見ている世界とは違う尺度で物を見ている。文字通り持っている目の秤が違うのだ。気になるなら会いに行けばいい。一目見るぐらいなら構わんさ」
アヴェラル「ああ。もし話したければ団長と一緒に行くといいかもしれん。どうせ挨拶しに行くだろうし」
プレンツ「お話ができるとは思ってなかったですけど」
悪い神様ではないのは間違いなさそうだけどみんな浮かない顔をしているな。
レイモンド「プレンツはちょい訳ありだしそれがいいかもな」
みんなして少し歯切れの悪い返答だなと思った。
今まで訪れた国を思い出しても何もなかった国の方が少なそうだけれども。何かあったのだろうか。でも別に会うことは止めない。どういうことだ?
アヴェラル「団長も昔はこーんなちっちゃかったのに今じゃドンとしたもんよ」
レイモンド「だな。使う魔法だけは半端ねえけどそれ以外はただの可愛い女の子だった」
ピーター「それは今も変わりない」
レイモンド「いまじゃ大所帯でこんなむさ苦しいオヤジどものドンだからなー。ま!揃いも揃ってやっぱり団長の元に集まりそうなやつらばかりだ。あれなんか涙が出てきた」
アヴェラル「三度、ステラッチェの成長とFlying Twinkle Caravan魔法劇団の益々の発展を願って乾杯の儀を行う」
ファロ「だからいいって!」




