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第1話 堕ちた星
「ふんふんふんふんふんふんふーん」
ごきげんそうに鼻唄を歌いながら少女が歩いている。年端もいかない少女が白髪を揺らし軽く跳ねながら歩いている。
曇天の中、自らが作り出した死体の絨毯を華麗に避けながら。
血が、肉が、鉄が、火薬が、焼け焦げる臭いでその一帯は蒸し返っていた。そんな空気を意に介さず戦場だった地を歌いながら歩む。転がる障害物をけんけんぱしながら避けていく。土と血の色のみが広がるなかで白だけが小躍りしていた。
そうしているうちに足に何かが絡み付いた感覚をおぼえ歩みを止めた。
既に虫の息だった兵士が最後の力を振り絞り少女の足を掴んだ。
「ば、化け物が……」
兵士の言葉に対し何の反応も示さない少女。振り向いて掴まれた足を見下ろす。脚に軽く力を入れ、空に蹴りながら振り解いた。
少女はゆっくりと兵士のそばに近づき、兵士の頭を蹴飛ばした。頭は小石のように飛んでいった。
人間だったものが血飛沫を撒きながら転がっていく。その様を踏まれて死に絶えた虫を見るように、つまらなそうに、邪魔くさそうに見ていた。
無機質で円らな左目の瞳に花模様を浮かべた少女は再び鼻歌を歌いながら歩き出した。
これは堕ちた星の物語。




