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Stellacce Twinkle  作者: 橿原るり
第一幕 サンリスタニア王国編

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11/22

第11話 列車にゆられ男湯にゆられ

ここの団にいる人はみんな一日の半分を持っていく傾向があることがわかった。

昨日、あれだけ試した挙句ぼくの衣装デザインは保留になった。最初こそノリノリで着せ替えをしていたジェマさんだったが時間が経つにつれて頭を抱える時間が増えた。いわゆる迷走だ。

ジェマさん曰く


「来たわ。クリエイターが必ずぶち当たる迷走と瞑想の時が。」

と。


それからブツブツと小声で何かを呟きながらも色々と試したが一旦寝かせることになった。

ジェマさん曰く

「何でもね。一晩寝かせるといいのよ。なんなら一番大切な工程よ。クリエイティヴなことについてもそうだし女性についても同じことよ」

と。知らん。


という訳でまさかの着せ替え人形第2部がいずれ訪れることに目を背けて、目を覚ました。

目を背けたから覚めたのか?

後半のジェマさんは明らかに迷走していたもの。トカゲの着ぐるみを着せられたときもあったもの。

そういえばこの団の人はみんなあんなところやそんなところの長さをジェマさんに把握されているのだろうか。


「フレンおはよう」

「プレンツおはよう!昨日も大変だったようだな!ジェマさんに捕まったら丸三日は潰れると思っていた方がいいぜ!」


まさかの第3部構成だった。


「……フレンはその、ジェマさんにいろいろ測られた?」

「ああ、そりゃもう。あのメジャーでありとあらゆるところを測られたよ。耳たぶの厚さを測ってどうするんだと思うぜ」

耳たぶの厚さを測ってどうするんだジェマさん。

「その、乳首とかは?」

「え?乳首?何が?」

「え、長さだよ乳首の」

「いやさすがにそんなところは測られたことはない」


* * * * * * *


「あの人はもちろん服の為にも測るんだけど、人のいろんな長さを測るのが趣味なんだって。なんでもその趣味のおかげでその人の似合う服を作るバランス感覚みたいなものができたんだってさ!」

と、フレンに教わりながら広場に向かった。

どの人にも天職というのはあるのだなとしみじみ思う。

あれ?今日はやけに人が多い。

あ、ステラッチェ団長も来た。


「よぉし!みんな集まったね!サンリスタニア王国、その首都リスタニアでの舞台が始まったね!まだまだ公演は続くから頑張っていこう!それはそうと今日の公演はお休みだ。と、いう訳でみんなで温泉に行かないかい?」


そういえば昨日そんな話をしていたな。


「温泉かー!そういえば有名なんだっけ?」

「混浴か?」

「んな訳ないでしょバカ」

「ほお、温泉とな。これは楽しみだ」

「ナ、ナレアと温泉……だと……?」


みんな思い思いのリアクションをしている。最後のアホは相変わらず話を聞いていない。ベールさんに案内してもらった時にガルニエ内にも大浴場があるのを見たけどそれとは違うのだろうか。

みんなと言っても全員が来る訳じゃなかった。ジェマさんなど用事がある人はガルニエに残っていたようだった。

ガルニエを出て、いくらか歩ったところ駅に着いた。蒸気機関車だ。帝国にもあったがどの国にもある訳ではないと聞いていた。サンリスタニアは大国なのだろう。


そこからまた電車に2時間ほど揺られまた山へ向かい温泉に辿り着いた。結構山深くて迷いそうな道中だった。

車窓から見えたサンリスタニアは改めて大きい国だと思った。町がなかなか途切れなかった。途切れてからは牧場や農作物の畑が広がっていた。見える建物も転移する前の町より少し立派に見えた。町の風景や牧場など全て美しい景色だった。


フレンに借りた水着を履いて温泉に向かった。

おお〜広い!森に囲まれたような景色に巨大な岩で囲まれた大浴場だった。


「広い温泉だなー!ガルニエの浴場も好きだけど露天風呂もいいな!」


フレンがそう言いながら出てきた。

なかなかいい身体をしている。腹筋の筋もすらっと見える。筋肉質とまでは言わないがメリハリのある身体だ。


「早く入ろうぜ!プレンツ!」

「うん入ろう」


湯舟に片足を入れた。少しぬるいけど気持ちがいい。奥に行くほど深くなっている。一番深いところは僕が沈む高さだ。

看板がある。どれどれ。


「へー!ここ大昔はただの川だったんだって!それを一部流れを変えてここに溜めてるんだってよ!前は水着もなくても入れて混浴だったんだ!不埒なことする奴らがいるから水着着用で男女分けたんだって」


どこでも碌でもない奴がいるってことだ。

ほらあそこ。女湯の方に向かって仁王立ちしているアホがいる。何に想いを馳せてるんだ。お前のような奴のせいでそういうルールになったんだ。

そのせいだろうか?男女で隔てている湯の壁がとんでもなく高い。


「がっはっはっは!いやはや!なかなか広いではないか!おぉ〜しかも深い!これは良い温泉だ!」


筋肉隆々少し赤い肌。ブラウンの髪をオールバックにし、もみあげが顎髭と繋がった初老よりは少し若い大男。アヴェラルさんだ。


「ほぉ〜これはこれは立派な温泉だ。」

みんなズボンタイプの水着を着ている中白く長い布を股に器用に巻いた?(あとで褌というものだと教わった)ニニギさん。

白くて長い髪を結って器用に大きく蝶々結びをしている。糸目で他の団員に比べると薄い顔をしているが綺麗な顔立ちをしている。フレンのような体型だが腕はいい筋肉をしている。

いつも舞台で使う剣を腰に差しているがさすがに今は持ってない。ちなみにまだぼくはこのひとの眼を見たことがない。周り見えてるのかな?


「ふぅ〜これはいい湯だ……。お嬢も気に入っているだろうか……」

青いの髪ですごく長い龍のようなしっぽが特徴的なフェルナンさん。

「ごぼぼぼぼ……」

沈むベールさん。


「ってベールさん!!!!」


「ふむ。ベール殿よ。疲れが祟って湯あたりをしてしまったのだろう。風にあたり少し横になりなさい」

「そうだ!だが疲れを取る為、汚れを清める為の湯がベールには毒とはな!」

「アヴェラルさん、ベールさんはいつも劇団に対して身を粉にして貢献なさっています故なのです。優しく見守ってあげましょう」


その他の男性陣達もベールさんを助けた。少ししてからアヴェラルさん、ニニギさん、フェルナンさん3人でベールさんを介抱して先に帰った。


そんなちょっとした事件がありつつもゆっくりと温泉を楽しんだ。

時折女湯から声が聞こえた。あちらも楽しんでいるようだ

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