3ー6 問題
3ー6 問題
朝食後、俺は、アネッサとロリスにちょっと席を外してもらってラザニエルさんとこれからのことを話すことにした。
ラザニエルさんの精霊界を追放になったという話についても気になっていたのだ。
「これからのことなんだけど」
俺は、ラザニエルさんに切り出した。
家では、表向きは今まで通り父であるセフィール辺境伯が家長として取り仕切ることになるが、実質は俺が家を支配することとなる。
これまでは使用人同様の扱いだったから望むべくもなかった王都の魔法学園への進学も夢ではなくなった。
俺の義理の兄たちも数年前から魔法学園に入学している。
父や義母は、その兄たちに辺境伯家を継がせる気だったようだ。
俺は、どちらでもいいと思っている。
もう、俺は、自由だ。
このまま家にいて暮らしていくことも、学園に進学して他領に職を得ることも、もしかしたら王城に就職することさえ考えられる。
全ては、俺と契約して力を分け与えてくれたラザニエルさんのおかげだ。
「俺は、このままここで暮らして10歳になったら王都の魔法学園に入学したいと思っているんだけど」
「そうなの?」
ラザニエルさんがふーん、と他人事のように頷く。
「いいんじゃないの」
「いや、ラザニエルさんたちは、それでもいいの?何か、人界でやりたいこととかあるんじゃ?」
俺がきくとラザニエルさんが思い詰めた表情を浮かべる。
「あたしは、やりたいことがあって人界にきたわけじゃないんだけど……でも、その……ちょっと問題があるの」
「問題?」
俺が問うとラザニエルさんが思いがけないことを告げた。
「あたしが人界にきたのは追放されたのが原因だけど、実は、探し物があってきたの」
探し物?
俺が首を傾げるとラザニエルさんがふっと笑みを浮かべる。
「まあ、探すといってもね。探しようがないんだけど」
「いったい、何なんです?俺も探すの手伝いますよ?」
俺がそう言うとラザニエルさんがちょっと困ったような顔をした。
「でも……これ以上クロウズ君を巻き込めないし」
「いや、巻き込んでるのは、俺の方だし!」
俺は、本心からラザニエルさんに協力を申し出る。
「なんでも言ってください!」
もちろん、俺ができることならだけどな!




