2ー9 お食事タイム
2ー9 お食事タイム
手際よく食事の準備をする俺にラザニエルさんが感心した様子で見守っている。
ラザニエルさんは、食堂にあったテーブルの椅子をひくとアネッサを座らせると自分もテーブルについた。
俺は、着席して待っているラザニエルさんたちの前に食事を並べていった。
メニューは、卵焼きと味噌汁、それに白米。
ごくごくシンプルなものだった。
「もうちょっと時間があればもっとちゃんとしたものを作れたんだけど」
申し訳なく思っている俺にラザニエルさんは、満面の笑顔を浮かべる。
「これで十分よぉ!あたしなんて卵は、スクランブルエッグぐらいしか作れないし!」
アネッサの横の椅子に座っているロリスが手を出そうとするのをアネッサが叱る。
「これ!いけません!主の前で失礼な!」
「いいのよ、アネッサ」
ラザニエルさんが箸を手にぱくっと卵を一口食べる。
「何これ!?」
ラザニエルさんがご飯の入った茶碗を手に猛烈な勢いで飯を描き込み出す。
「おいひぃっ!止まらないっ!アネッサたちもはやく食べて!暖かいうちに食べないなんて料理に対する冒涜だから!」
アネッサは、見たこともなかっただろう異世界の料理になかなか手を出さなかった。
だが、ロリスが卵焼きに食いつくのを見て意を決したのか自分も食べ出した。
箸が使えず手で卵焼きを摘まんで口に恐る恐る運ぶ。
一口食べて、アネッサが目を見開いた。
「うまい……」
アネッサは、箸を掴むとラザニエルさんを真似てなんとかそれで白米を掻き込む。
ロリスも茶碗に顔を突っ込んで必死に食べている。
俺も。
久しぶりの日本食に感慨深いものがあった。
それは、ラザニエルさんも同じようで。
気がつくとラザニエルさんは、泣きながらおかわりしていた。
食後。
日本茶を急須で入れてやる。
アネッサとロリスは、湯気のたつお茶の匂いを嗅いでいたがやがてずずっとすすった。
「これは……変わった味だが嫌いじゃない」
ロリスは、熱いお茶が苦手な様子できゃん、と小さくなくと椅子の上で縮こまった。
「はぁー、お腹いっぱい」
ラザニエルさんが満足そうに吐息をつく。




