2ー6 空間魔法?
2ー6 空間魔法?
「もう、てっきり坊っちゃんは、戻ってこられないとばかり思っていました」
ローザが涙をそっとエプロンで拭う。
「もしかしてそちらのお2人のお嬢様方が坊っちゃんを助けてくださったので?」
「いや……」
もう、それでもいいような気もしたが、それでは2人をこの屋敷に住まわせることはできない。
俺は、仕方なくローザに説明した。
「この2人は、森で出会って下僕にした人たちなんだ」
「下僕?」
ローザがキョトンとした顔で俺を見つめる。
俺は、ローザに懇切丁寧に説明した。
森でピンチになったとき、拾った魔鏡の力でこの2人の魔物を従魔とすることができたのだと。
ローザは。
こんなレベルの低い説明にもすっかり騙されているあたりほんとに俺のことを盲目的に愛してくれているんだな、と思った。
この屋敷で俺のことを坊っちゃん扱いしてくれるだけでもありがたいのに、俺を心から愛してくれている。
ローザのおかげで俺は、生きてこれたのだ。
「では、坊っちゃんは、ご自分のお部屋に戻って休まれていてくださいませ。旦那様方には、私からそのお2人のことは話しておきますので」
俺たちは、ローザと別れて離れにある自分の部屋へと向かった。
離れといってもアネッサの小屋より少しましなだけの小屋だった。
小さな子供用のベッドが1つあるだけの狭い部屋だ。
「ここに住むのか?」
アネッサが避難混じりの声を発した。
うん。
俺は、また、考え込んでしまった。
どうみてもこの部屋は、俺たちが暮らせるような広さじゃないし!
かといって俺の従魔であるという設定の2人を別の部屋で暮らさせることは望めないし。
思い悩んでいる俺に魔鏡が口を開いた。
『この部屋を改造してはいかがでしょうか?』
「改造?」
俺が首を傾げるのを見て魔鏡が答えた。
『あなたの持つ空間魔法の力でこの部屋の空間を変異させれば問題は解決するのでは?』
空間魔法?
俺がキョトンとしているとラザニエルさんがぽん、と手を打った。
「そうだったわ。あたしには、そういう力もあったんだった」




