13ー6 顛末
13ー6 顛末
気がつくとローブの男の姿は消えていた。
「逃がしてしまったな」
グレンアイヒがちっと舌打ちする。
俺は、傷をかばいながらも生き残っている生徒たちを救いだそうと崩れ落ちた緑の触手へと近づいていった。
俺とロリスとグレンアイヒ、それにレイラ様でなんとか倒れている犠牲者たちを安全な場所へと運ぶ。
みな、痩せ衰えほぼほぼ骨と化していたがなんとか生きていた。
「しっかりしろ!」
俺は、声をかけたがみな、返事をすることもできない。
「姉さん!」
触手から逃れて尻餅をついていた少年が俺たちが助け出した1人に駆け寄り抱き起こす。
「マイア姉さん!」
「あ……ロゼ、ス……ここ、は?」
骨と皮だけになった長い茶色の髪で辛うじて女子生徒とわかる人物がか細い声で問いかけた。
「ロシ……ナンテ様、は?聖女の……花……は、どこ?」
「そんなもの!もう、いいんだ!」
少年がボロボロになってしまった姉をぎゅっと強く抱き締めた。
俺は、アイラさんに頼んで人を呼びに行ってもらった。
すぐに数人の学園に所属する騎士たちがやってきた。
「これは?」
俺は、ここで何があったかをおおよそ見たまま話す。
ただ。
ロシナンテがそれに深く関わっていたどろうことだけは黙っていた。
「この地に魔物がはびこっていたとは!」
騎士たちが燃え落ちた聖女の花を見た。
「それを君たちが討伐したということか?」
俺は、頷いた。
騎士たちの采配で犠牲者たちは、学園の医務室へと運ばれた。
座り込んでいたロシナンテも、騎士たちの手で連れていかれた。
連れていかれる時、一瞬、俺と目があった。
ロシナンテの淀んだ瞳にすっと光が差したような気がして。
「ロシナンテ!」
だが。
ロシナンテは、俺の言葉に振り向きはしなかった。
すっかり夜の闇に飲み込まれた森に俺たちだけが残された。
いくら王都とはいえ冬の夜はさすがに冷える。
「そろそろ帰るか」
俺が声をかけてもグレンアイヒは、燃え落ちた聖女の花を見つめて動こうとはしなかった。
「グレンアイヒ?」
「見てくれ、主様!」
グレンアイヒが暗闇を指差した。




