12ー9 頼み事
12ー9 頼み事
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
グレイズが出ていこうとしている俺を引き留めた。
「急に呼び出したりしてすまなかった。ちょっと君たちに頼みたいことがあって。話だけでもきいてくれないか?」
グレイズに必死に頭を下げられて俺たちは、部屋の中央に置かれた豪華なソファセットに腰を下ろした。
すぐに部屋の隅に立っていた女生徒がお茶を運んでくる。
気のせいかお茶のカップを差し出す手が震えている?
「ありがとう」
俺が礼を言って受け取ると女生徒が真っ赤になった。
「ふぇっ!?」
はい?
俺は、その女生徒の態度にちょっと違和感を覚えたが気にせずグレイズに問いかけた。
「で?いったい何を頼みたいっていうんだ?」
「実は」
グレイズが俺たちが座っているソファの方へと近寄ってきて椅子に腰かけた。
「君たちの能力を見込んである事件を解決してもらいたいんだ」
グレイズが俺たちの方へと身を乗り出す。
「もし、お願いをきいてくれるなら君たちをフィルダール公爵家の夜会に招待してもいい」
「なんで夜会?」
俺が不機嫌そうに言うとグレイズがにこやかに告げた。
「だって、君たち、悪名を払拭したいんでしょ?なら、私の家の夜会に出るべきだよ。自慢じゃないがうちの夜会には善男善女が集まることで知られているんだ。そこに招かれたとなれば君たちの悪名もはれるというものだろう?」
俺は、ちらりとレイラ様の方を見た。
レイラ様が少し考えてから頷く。
「確かにフィルダール公爵家の夜会には、善き人のみが招かれると言われているとききました。しかし」
レイラ様が首を傾げる。
「なぜ、その夜会に我々を?」
「だって、クロウズ君、必死で善行を積んでるってきいたから」
グレイズがにぃっと口の端を上げる。
「もしかしたらお役にたてるかな、とか思って」
信用できない!
俺は、なんとなくそう感じていた。
貴族とは、腹黒い生き物だ。
常に言葉の裏を考えなくてはいけない。
「もちろん、ただじゃないけどね」
グレイズが笑みを深める。
「君たちには、この学園で起きた不可思議な事件を解決してもらいたいんだ」




