12ー8 生徒会
12ー8 生徒会
学園での生活が始まって1ヶ月が過ぎた。
俺たちは、いまだ普通クラスで浮いていた。
といっても最初とは違う意味でな。
座学でも、剣術でも、魔法の授業でも俺たちに敵う者はいなかった。
そのため、いつの間にか、学園内で俺たちは、悪徳四天王と異名をとっていた。
いや。
なんで悪徳?
俺は、何かにつけて孤児院やらに寄付をしているし、慈善事業には、進んで参加(といっても変装してだが)している。
そろそろ効果がでてもいいのに!
そんなある日、生徒会から俺たちは、呼び出された。
「なんかまずいことしたか?」
俺が確認するとみな、首を横に振った。
俺も身に覚えがないし!
生徒会室は、学園とは別棟にあった。
ちょっと豪華な造りの迎賓館みたいな建物の1階の奥に重厚な扉の部屋がある。
そこが生徒会室だ。
俺は、勇気を奮い起こして扉をノックした。
「どうぞ」
中からハスキーな声がした。
俺は、扉を開くと中へと進み入った。
毛足の長い赤い絨毯が敷き詰められた豪勢な部屋の奥にある執務机についているのが生徒会長のようだ。
というか。
生徒会長は、王太子殿下じゃないの?
俺は、記憶にない眼鏡の青い髪をしたイケメンを見て首を傾げた。
「はじめまして、クロウズ君」
そのイケメンが俺に話しかけてきた。
「私は、グレイズ・フィルダール。フィルダール公爵家の嫡男で生徒会の会長をつとめている」
「ご丁寧にどうも」
俺は、ぺこりと頭を下げる。
「クロウズ・セフィール。セフィール辺境伯家の当主代理をしています」
俺が挨拶を返すとグレイズは、拍子抜けしたような顔で俺をまじまじと見つめた。
「君、ほんとにクロウズ・セフィール?」
「そうですけど」
俺は、ちょっとムッとしていた。
「で?なんの用で呼び出したんです?」
「いや、すまない」
グレイズがにっこりと取り繕うように笑った。
「君たちが噂とあまりにも違っていたものだから驚いてしまって」
「噂?」
俺が眉をしかめるとグレイズは、貴族の社交の微笑みを浮かべる。
「なんでも悪徳四天王、とか」
俺は、ムカつきを通り越して怒りを感じていた。
くるりと振り向くとグレンアイヒたちに告げた。
「失礼するぞ!」




