12ー10 禁則地
12ー10 禁則地
「実は、最近、何人かの生徒が行方不明になってるんだ」
グレイズが声をひそめる。
「生徒たちは、学年も違えばクラスも違う。唯一の共通点は、消えた生徒は、みな、薬草研究会に関わっているということだけだ」
「薬草研究会?」
俺が問うとグレイズが頷く。
「薬草研究会というのは、実は、代々の聖女が所属している生徒活動のクラブでね。我々生徒会でもなかなか内部を探ることはできないんだ」
なんだ?
俺は、ちょっと興味が湧いてきていた。
聖女が関わってるとなればもしかしてロシナンテも関わってるってことかも!
なんか、うさんくさい活動をしてるとかなら面白いことになりそうだ!
俺は、この謎の生徒失踪事件の調査を引き受けることにした。
「最後にいなくなった生徒たちが目撃されたのは、学園にある禁則地の付近だったらしいんだが」
グレイズが俺に説明した。
「そこは、いわく付きの場所でね。なんでもかつて魔王が封じられていた地なんだとか」
「魔王が?」
菓子に夢中になっていたグレンアイヒがびくん、と顔を上げる。
グレイズは、こくりと頷いた。
「数百年前に勇者によって封じられた魔王が眠っているといわれていた場所なんだ。今でも誰も近づくことは禁止されている」
うん?
俺は、グレンアイヒを見つめた。
グレンアイヒは、珍しくこの話に興味を示しているようだ。
「魔王が封印されているというのは本当の話なのか?」
俺は、半信半疑だった。
なぜなら魔王であるグレンアイヒが封じられていたのは、ロームニス山脈だった筈。
だとしたら。
ここに封じられているというものは、いったい何なのか?
「わかった」
俺は、グレイズに頷いた。
「俺たちは、その行方不明になっている生徒たちを探せばいいってことなんだな?」
「ああ、そういうことだ」
グレイズがさらに声をひそめる。
「しかし、これがもし禁則地に関わることなら……かなり危険なことになるかもしれない。君たちも十分に気をつけるように」
「もちろんだ」
俺は、にっとグレイズに笑った。
「無理はしないのが俺のやり方だからな」




