11ー7 試験開始!
11ー7 試験開始!
翌日。
学園までは、アイダさんが馬車を出してくれた。
といっても荷馬車だったんだが。
「すまないな、クロウズ。ほんとならもっと立派な馬車を出せればよかったんだが」
申し訳なさげに言うアイダさんに俺は、にっこりと笑った。
「これで十分ですよ、アイダさん」
学園の側で荷馬車を降りた俺たちを見送るアイダさんは、心配そうにいつまでも手を振ってくれた。
学園の門の前にたむろしている学生たちが俺たちをじろじろと遠巻きにして見ている。
「何を見てるんだ?ああっ?」
可愛らしい薄茶色のワンピースを着たロリスが学生たちにすごむのをグレンアイヒが止める。
「やめよ、ロリス。バカなことをするでないわ!」
「しかし、グレンアイヒ様」
「よいか?ロリスよ」
グレンアイヒが小声でロリスに呟く。
「こういう連中にはな、後でそっと呪いをかけるのじゃ。ちょっとした呪いであれば我らのせいだとはわからんからラザニエルお姉さまのお叱りを受けることもあるまい」
「呪い、ですか?」
真剣な表情で聞いているロリスにグレンアイヒがにぃっと悪い笑みを浮かべる。
「そうじゃ」
俺は、ぽこっとグレンアイヒの頭を叩く。
「いたっ!」
頭を押さえてグレンアイヒがうるうるした瞳で俺を見上げる。
「主様、痛いではないか!」
「おかしな相談をしてるからだろ!」
俺は、ふぅっとため息をついた。
「いいか?2人とも。あくまでも俺たちは、普通の生徒なんだからな。目立つんじゃないぞ!」
そうこうしていると門扉が開いて入学試験の受験者たちは、学園の中へと導かれた。
俺とロリス、それにグレンアイヒは、一緒の部屋での受験だった。
別に離れた部屋であっても俺たちは、魂で繋がっているので困ることはないが近いところにいるにこしたことはない。
ロリスは、席に腰かけるときょろきょろしていた。
グレンアイヒはというと、席に腰かけたまま何か黒いオーラを発して周囲の連中を威嚇しているし!
はやく試験が終わることを俺は、祈っていた。
じゃないと俺の寿命が縮みそうだ!




