11ー6 2人
11ー6 2人
俺たちは、リビングでお茶を飲みながらゆっくりとこれからの予定を確認した。
「明日は、いよいよ学園の試験ね」
ラザニエルさんが顎に指をあてて考え込む。
「確か、学園は、ほぼ全寮制だけど希望者は、家から通うことも許可されてるのよね?」
「ああ」
俺は、頷く。
別に寮に入ってもいいんだがいろいろ大変そうなのでここから通うつもりだ。
というか寮には1人だけ身の回りの世話をするメイドを連れていくことができたんだが誰が一緒に行くかで喧嘩になりそうになったし!
それもあって俺は、家から通うことにした。
とはいえまだ試験も終わっていないんだけどな!
「まあ、明日の試験次第ではあるんだけど」
ラザニエルさんがお茶をこくりと飲んでから顔を上げる。
「大丈夫なのかしら?2人とも」
2人とも、と言われてグレンアイヒと床にうずくまってビスケットを齧っていたロリスがびくん、と体を強ばらせる。
「任せろ!我は、魔王だぞ!学校の試験などお茶の子さいさいだっ!」
「きゅう!」
ロリスが鼻をぴすぴすいわせているのを見てアネッサがため息をつく。
「ロリス、そろそろ人化の術を使いなさい。その姿では、試験も受けられないぞ」
「はぁい!母様!」
ぽん、と音がしたかと思ったら床の上にいたロリスの姿が消えて銀髪の美少女が床に座り込んでいた。
「ほぇっ!?」
アイダさんがお茶をこぼしそうになる。
「い、犬がっ!ひ、人になった!?」
「犬ではないわ!」
アネッサが声を荒げる。
「我らは、由緒ある森の王フェンリルだ!犬などではない!」
「は、はいっ!すみません!」
なぜか謝っているアイダさんに俺は、苦笑していた。
「しかし、グレンアイヒはともかくロリスは、試験は無理なんじゃ?」
「大丈夫です!主様!」
ロリスが立ち上がる。
「あたしには、主様がついてますから!」
いや。
逆なんじゃ?
俺は、引きつった笑顔を浮かべた。
でも。
確かに俺と主従関係にあるロリスとグレンアイヒは、俺と魂が繋がっているので座学は問題ない筈だ。
問題なのは、実技だった。
妙に悪目立ちしなければいいんだが。
「なんで、この2人も試験を?」
アイダさんに問われてラザニエルさんが答える。
「ちょうどクロウズ君と同年代に見えるからかしら?一応、護衛がいた方がいいでしょ?」
「そんなもの、必要ないように思われますが……」
アイダさんの言葉に俺も頷いていた。




