第二章 第12話 『 再会の明星 』
「紫苑、ステイ」
紫苑が殴りかかろうとするのを止める。
アンタレス討伐よりも先にコレをどうにかしないといけない。
このままアンタレスと戦えば、チームワークの欠片もなく負ける。
そんなことを考えていると。
「朝早くから元気だねぇ、キ・ミ・タ・チ」
保健室の入口。
そこに立つスコーピオンテールの少女。
深紅の目が爛々と燃えている。
アンタレスだ。
私たちは一斉に武器を構える。
「……こんな朝早くから来るんだ」
「そうだねぇ……私は早起きだからねぇ。
それに――」
アンタレスがオリオンを指差した。
「そこの男に熱烈なアピールされてるからねぇ♡」
「アピールなんかじゃねぇ、殺意だ。お前に対するな」
「変わらないよぉ。わたっしにとってはそれもアピールな・の♡」
「……気色が悪ぃ」
オリオンがしかめっ面をするとともに、弓を構える。
引いた矢が白銀に染まっていく。
「返してもらうぜ、その身体」
「返すわけないじゃ――うおっ!」
アンタレスの頬を掠める白銀の矢。
重い音を立てて柱に突き刺さり、
ドオォォンッ!!
衝撃波が遅れて発生する。
「……やっぱその武器、嫌いだなぁ!!」
アンタレスが叫ぶと同時に空間にいくつもの裂け目が現れる。
その裂け目から、無数の黒い腕がオリオンたちを襲う。
「んだコレッ!気持ち悪ぃ!」
腕を避けながらも、アンタレスに狙いを定める。
が、焦点が合わない。
いや、合わせられない。
「撃ってこないのかぁい?あ、撃てないのか。アハハハハハッ!!」
「クソがッ!!」
あかねたちも応戦するが、如何せん腕の量が多い。
いくら斬り倒そうと、次から次へと腕が生えてくる。
さらには。
「……動きが鈍いッ!?」
腕を避けようにも、身体が徐々に重くなっていき、
最終的には身体を起こすことで精いっぱいとなっていく。
「なん……で?」
呼吸もしづらい。
酸素が薄くなっていく。
心臓の鼓動が徐々に大きくなっていく。
ドクンッ
一回一回の鼓動が鮮明に聞こえ出す。
胸への圧迫感、息苦しさ。
頭痛、眩暈。
ドクンッ
冷や汗も噴き出てくる。
ドクンッ
身体が痺れる。
手足の感覚が無くなってきた。
ド、クンッ
音も、聞きづらくなる。
視界も、ぼやけてくる。
ド……クンッ
痛みが無くなる。
音も聞こえなくなる。
視界も真っ暗になる。
ド……
生命の鼓動が止まる。




