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アカネノ天  作者: 司城まか


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第一章 第1話 『 始まりの違和感 』

 ――今日も退屈だ。


 昼休み


 教室では、仲良し同士が集まって机を囲み、ご飯を食べる姿がちらほら見える。

 私はそんな姿を横目に、一人で菓子パンにかぶりつく。


 私には友達と呼べる人間がいない。

 ()()()()のではない、()()()()だけだ。


 いじめられるとかは全然ない。むしろ気にかけてくれる。


 今も――


「ねぇ、西宮さん。一緒にご飯食べよ!」


 そう言って彼女――北原しのんは、机をくっつけようとする。


「えっ、あっ、その。も、もう食べ終わったので!」


 私はそう言って、パンを口の中に詰め込みながらダッシュで教室を去っていった。


 その姿を見ながら、しのんがぽつりと呟く。


「あーあ、今日も振られちゃった」


――――――――――


 教室から屋上へと逃げてきた私は、イヤホンを耳につける。

 そして、ラジオを流す。

 こうすることで、外界との接続をシャットダウンするのだ。


 お気に入りのパーソナリティは「雨谷天(あまがいそら)」だ。

 彼女の声は優しく澄んでおり、聞いているだけで幸せになれるほどだ。


 そんな彼女の放送が今日、この時間にある。

 私の心は、興奮でいっぱいだった。


 が、いつになっても放送が始まらない。

 イヤホンが接続されてないのか?と思い、確認してみるが問題はない。


 じゃあ、ラジオ側の不調か?何してんだよ。早くしてくれ、昼休みが終わってしまう。

 そう、心の中で叫んでいた。


 そのときだった。


 ブツっと音が鳴ったと共に、こんな話が流れ込んできた。


『本日、この地球は終焉を迎えます』


 その話が終わると共に、空が割れた。

 その中から、見たこともない異形の怪物が顔を覗かせる。


 虎……?いや、なんだあれは。

 わからないが、とにかく異形だ。


 いや、今はそんなことを考えている場合ではない。

 逃げないと――


 屋上から飛び出し、階段を勢いよく駆け降りる。


 その途中で足を滑らせ、転がり落ちる。


「……大丈夫?」


 顔を上げると、心配そうな顔をしたしのんがそこにいた。


「そ、そそそそ空、みみ見ましたか!?」

 

 しのんはきょとんとした顔をする。


「空?空がどうしたの?」


「そ、そそ空が割れて、中から怪物が――」


 現れて、と言おうとしてやめた。

 理由は一つ。

 しのんが苦笑いをしていたからだ。

 痛い子を見る目をしていたからだ。


 この子に何を言ってもダメだ。

 いや、ここにいる誰に行っても無駄だろう。

 恐らく私以外、あれを確認できる人間はいない。


「怪物が、どうしたの?」


「……い、いえ。寝ぼけてただけでした」


「ふふふ、そうですか。でも、危ないですよ!とりあえず保健室いきましょ」


 そう言って、手を差し出してくれる。


 あんなことを言っても手を差し伸べてくれる彼女は本当に優しい。


「……初めて手、繋いじゃった」


「な、何か言いましたか?」


「ううん、何も言ってないよ。ほら、行こ?」


 手を引っ張られ、保健室へと駆け出していく。




 


 


 



 

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