第九話 人間と魔族
楽しんで読んでいただけると幸いです。
外の騒ぎに、私はテントから顔を出した。広場の中央の人盛り。
近都海『、、、なんだろう。』
寄ってみると、そこには三人の人間の兵士がいた。 彼らは、先程の聖王国の小部隊の偵察班だったらしく、見つかり、囚えられたそうだ。
彼らの一人が鋭い目つきで叫ぶ。
人間兵A『さっさと殺せ!!敵に捕らえられた兵など、愚物でしかない!!』
一人の魔族兵が応える。
魔族兵A『殺す訳ないだろう。"唯一"の情報源だ。』
もう一人の人間兵が何かに気づいたように言う。
人間兵B『唯一?、、、まさか!』
魔族兵B『そっか、ずっと偵察してたんだもんな。知らねえか、、、。』
人間兵A『なんの事だ!』
魔族兵B『俺らの上司が今朝方、あんたらの部隊を全滅させたんだよ。捕虜の一人も取らずな。参っちまうぜ。』
人間兵らの視線が狂う。明らかな動揺であった。
人間兵A『こ、この外道共が!!!あそこにはっ、付近の村で保護した、女、子供も大勢いたんだぞ!!』
近都海『えっ、、、。』
胸に鈍痛がはしる。またしても脳が、、、いやっ、今度は心が、理解を拒む。
私は思わず人間兵らの前に出る。
近都海『い、、た。』
人間兵A『あっ?』
近都海『いながっだ!!!子供なんて、、、兵士しかいなかった!!!』
私は、何を言っているのだろうか。
人間兵A『なんだガキっ!!!お前か!こいつらの上司ってのは!!!』
近都海『えっ、あっ、違っ!』
人間兵A『人を、人の命を何だと思ってるんだ!!このっ、イカれ外道の魔族が!!!!!』
違う、私じゃ、、、
たじろぐ私。
ーー 孤島の少女は 賢かった ーー
関わってはいけない。巻き込まれてはいけない。何も言うべきではなかった。
私は後ずさり、耳を手で塞いで、テントへとかけていった。
私の背後には、ただ男の叫び声が鳴り響いていた。
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次回 大きな影
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