第八話 賢い子
楽しんで読んでいただけると幸いです!
薄暗い部屋、乾いた空気、響く、男と女の怒号。部屋の隅に、あらゆる光源の陰を探してうずくまる。
見つからないように、巻き込まれないように。
少女世界の外側を、現実を見ないよに努める。
孤島の少女は賢かった。
うずくまる。顔を隠す。今も同じ。見てはいけない、現実を。隠さなきゃ。
ライジュを抱きしめる手を離さない。今、彼女を見てはいけない。死にたくないから。
ライジュ『大丈夫、、、?。少し、刺激が強すぎたかな?』
優しくライジュは私に語りかけた。それが純粋な善意であることに、赤子に対するそれと、殆ど違いは無いことに、私は酷く恐怖した。
しかし、同時にとても都合が良かった。赤子は殺されない。
私は、彼女の赤子になると決めた。
ライジュ『帰ろうか、、、。』
私は、ライジュの胸の中で頷く。
ライジュは私の頭に手を置いた。そして撫でる。
ライジュ『ほらっ!ちゃんと背中にのって。』
私は、ライジュの身体に顔を這わせながら、背中に移動する。
ライジュは、呪文を唱える。ーーーーーーーーーーー
テントに帰ってきた私の様子を、その変化をいち早く捉えたのはホタルだった。
ホタル『キュエ?』
ホタルは私に優しく擦り寄る。
ライジュ『じゃあ私、本部テントの方行くから。なんかあったら言ってね。』
近都海『はい、、、。』
誰かに心配されることが、こんなに恐ろしいなんて、、、。
私は、部屋の隅に、うずくまる。
本部テントにて。
ハルステリウル『あっ!ライジュさん!お帰りなさい!お疲れ様です!』
ラスラン『第四席。お疲れ様です。』
ライジュ『うん、、、。』
ハルステリウル『どうかなさったんすか?』
ライジュ『ううん!なんでもない、、、、。そういえばハル。あんたの任務の援助を頼まれるんだ。バーンに。』
ハルステリウル『聞いてます聞いてます。援助って言っても、少しここで寝泊まりさせて欲しいだけなんすけどね。』
ライジュ『そういう感じね。わかった。』
ライジュは深くため息をつく。
ライジュ『はぁ、、、。心配だなぁ、、、。』
純粋さは、狂気と相違ない。それを彼女自身が知ることはないだろう。
ふと、テントの外が騒がしいのに気づく。ラスランが、様子を見るとテントを後にする。
ラスラン『どうした!?何を騒いでいるんだ。』
兵士『ラスラン小隊長!それが、、、。』
中央の広場に多くの兵士が集まっていて、人だかりの中には、三人の人間の兵士が、縛り上げられ、囚われている姿があった。
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次回 人間と魔族
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