第十七話 不可解と違和感
楽しんでよんでいってもらえると幸いです。
オウル『も、もーライジュさんったら、、、血気盛んなんすからー。』
緊迫したオーラの中、オウルが口を開く。
するとライジュがオウルに向け、金剛石の瞳刺す。
ライジュ『私の場所を、私らの国を、散々貶してくれた。そんな相手に遠慮なんていらないでしょ。』
オウル『そっ、そうっすね!、、、。すいません。』
やはり彼女を抑えられる人はいないのだろう。空気感でわかった。
国の頂上であるはずの魔王ですら、強力な害悪のオーラをもつ彼ですら、それの前では無力に見えた。
バーン『そうではないだろう。ライジュ。オウルは、不用意に突っ込んでいって、敵に出し抜かれでもしたらどうするんだ、と言ってるんだ。』
ライジュがバーンを睨みつける。
ライジュ『何、、、私が誰にどうされるって?』
更に空気が重くなる。
魔王『まぁ落ち着け。ライジュ。お前は魔王軍の主砲だ。そう易々と前線に連れていく訳には行かない。』
ライジュ『なっ、、、むっ、、、。』
あっ、王様の言うことは聞くんだ。
バーン『なんせ情報が少なすぎます。国境付近に常駐してるエラリナ、ゲンゴロウの部隊を一旦応戦させますか?』
オウル『一旦それでいいんじゃないっすか?』
メンシリー『ちょっと待って。』
半蛇の女 メンシリー・ユトリノノフ
大魔九天王が九席。蛇足人種であり、魔王軍全体に幅広い影響力を有する魔王国最高位官。絶世の美女としても知られており、毎日数多くの憧れと嫉妬に晒されている。
メンシリー『軍による応戦は避けるべきです!』
メンシリーに視線が集まる。
バーン『どういうことだ?』
メンシリー『ノトノトちゃんの話、聖王国の動きが不可解すぎる。軍備を整えないままの宣戦布告。前線でもない王都に主力である聖清十器を集結させていること。国境付近に行商人が集まってることも。』
クラブマスター『だからといって、、、軍で応戦しないとなると、、、』
メンシリー『十中八九、聖王国は少数精鋭、短期決戦でかかってくる。情報から明らかだよね。』
クラブマスター『まぁ、そうだな。』
メンシリー『じゃあ一番狙われる可能性が高い魔王様の周りに、軍を集結させるべきでしよ?』
沈黙がはしる。
魔王『メンシリーの考えはもっともだ。エラリナ、ゲンゴロウを魔王城に召集しろ。国境付近の部隊も全部だ。』
バーン『分かりました。同時に、南側の都市集落に避難勧告を発令しましょう。』
魔王『よし、緊急会議を閉会する。皆、良い働きを期待しているぞ。』
一同『はっ!』
会議室内の魔族が一斉に立ち上がり、散開していく。
そんな中、ライジュが魔王に呼び止められる。
魔王『ライジュ。側近とここに残りなさい。』
近都海『えっ?』
ライジュ『分かりました。』
壁に並んだランタンの光だけが周囲を照らす。部屋の隅に置かれた中サイズの机をはさみ、害悪の象徴たるそれは、まじまじととこちらを見つめる。
魔王『ライジュよ。この娘はどこで拾ってきたんだ? 。』
ライジュ『、、、国境付近の樹海。』
畏怖からとは違う、妙な緊張感が、私の眉間をくすぐる。
魔王『そうか。』
魔が差す。
そしてそれは語り出す。
魔王『聖王国に、"アテネ"の気配を感じる。』
ライジュ『、、、えっ!?』
ライジュの目が見開く。
彼女の、初めて見る動揺であった。
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次回 聖清十器
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