第十四話 魔王
楽しんで読んでいただけると幸いです。
会場に静寂がはしる。
それは額に大きく突き出た二本の巨角を持ち、背丈は私やライジュの三倍程で、全身は鈍く光を反射する漆黒の硬皮に覆われていた。
瞳は赤黒く輝き、その視線はナイフによる刺突撃のように鋭い。
それはまさに魔を統べ、魔に生きる魔王を体現していた。
脅威的な害悪のオーラに私は酷く恐怖する。一歩間違えれば"死"。そんな思考が純然に巡る。
思わず、左前に座るライジュの肩を触る。ライジュはそっとその手に自らの手を添える。
司会の魔族『まず初めに、魔王様及び大魔九天王様による、挨拶をさせていただきます。』
オウル『えー、いるー?』
左隣に座るオウルが ボソッ とこちらに言う。
司会の魔族『では、大魔九天王様の皆様から席次順にお願いいたします。』
正面から見て左から二番目にすわるウェリンダが立ち上がる。
ウェリンダ『大魔九天王 第二席、霊媒師 のウェリンダ・サーベルで〜す。今季もみんなめちゃ頑張ってくれたみたいだし、みんなにたっくさん報酬があげられるかもね〜。よろしく〜。』
重厚感溢れる場に反し、彼女はニヒルな笑みを浮かべる。
一同は拍手を彼女におくる。
続け、正面から見て左から三番目、ライジュの左隣に座るバーンが立ち上がる。
バーン『魔王国 大魔九天王 第三席。烈火士 バーン・オルトニルハ。魔王国の更なる繁栄と発展のため、この会議で発表される皆の成果を十分に期待している。』
ピンと張った背筋、ハキハキとした口調に若干の勇ましさを感じる。いかにも規律を重んじそうなタイプだ。
またしても拍手がおこる。
そして、目前のライジュが立ち上がる。
ライジュ『第三席 ライジュ・ラインベルト。』
ライジュは席に着く。
近都海 (えっ、素っ気無。)
遅れて拍手がおこる。
続き、オウルが立ち上がる。
オウル『え〜、大魔九天王 第五席 幻術士 オウル・トックスっすー。ライジュさんの分も挨拶するなら、えーと、み、みんな半年お疲れ様っす!あー、みんなの成果?を期待してるっすー!』
少し慌てながらオウルも挨拶を済ませる。
バーン『おいライジュ!何年下に尻拭いさせてんだ!』
ライジュ『え、私ちゃんと挨拶したし。』
オウル『そ、そうっすよー。私が勝手にやっただけなんで、』
バーン『はぁ、オウル。あまりライジュを甘やかすな。』
クラブマスター『おーい、もういいか?』
バーン『あ、すまんクラブマスター。』
クラブマスター『よし。じゃあ、行くぞ〜。』
クラブマスターが勢いよく立ち上がる。
クラブマスター『うおおおおおおお!!!!!!!』
凄まじい雄叫び、正面の魔族達もそれに応える。
魔族一同『うおおおおおおお!!!!!!』
クラブマスター『大魔九天王 第六席! 殻騎士 クラブマスターだ!!皆!!ここぞとばかりに、己の成果を誇示しあってくれ!!!!!!』
魔族一同『うおおおおおおお!!!!!!』
そうして会場のボルテージが最高潮に達した瞬間、玉座の魔王が立ち上がる!
魔王『皆、よく参ってくれた!!!!』
会場中に緊張と高揚が広がる。
魔王『年に二度しかない陞爵 (爵位が上がること)の機会、しっかりものにするよう!おおいに期待している!!!』
魔族一同『うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!』
その覇気を、気迫を、私は正面からあびた。
作品を読んでいただきありがとうございます!
次回 魔王国と聖王国
よろしくお願いします!




