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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第八章 魔王無き世界編
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第六話 反撃はつらいよ①

 帝国の“人口把握計画”。“帝国国民証”による国民の位置情報の把握、その先にある人類統制。レギウス三世の描く世界の未来に寅二郎たちは恐怖を覚えた。

 その計画に異を唱えるため、寅二郎たちはルゼリアのイェルクの下へと“撤退”していた。


「帝国、とんでもないことになっていたな」

 シドが眉を寄せる。

「息苦しくて、どうにも、……ね」

 リラも自らの肩を抱く。


「やっぱり、核は“ゴーレム部隊”だろ」

 寅二郎が“国民証”を眺めながら言う。


「これから発生するマナを探知するってんだから、

 これを何とかしないと、帝国で動きづらくてしょうがねぇ」


 寅二郎の言葉に、シドが尋ねた。


「何とかするって、どうするつもりだ?

 皇帝の計画は世界規模の“政治”になっている。

 “ゴーレム部隊”による統治に賛同する国も出てきているんだぞ」


 シドの顔、リラの顔を見回し寅二郎が言う。


「それでも帝国の“今”を見て、この先の“未来”に不安があるんだろ?」


 五大国筆頭。各地に“ゴーレム部隊”を派遣し、もはや“世界の頂点”。

 寅二郎自身、そんな帝国の現状を肌で感じている。


 それでも二人の表情を確認し、


「なら皇帝に、一言もの申す。それしかないだろ?」


 そう笑った。


 そんな寅二郎の表情に、シドやリラが目を見開く。そして、

「お前って奴は」「ふふ、トラジロウらしいね」そう顔を綻ばせた。


「そのためにもまずは、

 イェルクの“歩く炉”、その完成品に期待だな」


そう言って寅二郎たちは“フォレスト”を見上げ歩き出す。

そしてシドは寅二郎の表情に誇らしさを感じつつ、

(皇帝にもの申す。その道は必ず私が作って見せる)

と、早打つ鼓動を拳で抑え込むのだった。

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