第四話 勇者PTは式典で祀り上げられる④
ガルディア帝国皇帝レギウス三世の“世界征服”宣言ともとれるソレ。
帝都レギオンブルク講堂に響く諸国の拍手が静まる頃、
リ・エスティーネ王国国王レオニス四世は、拍手をしながら立ち上がる。
「ふぉっふぉっふぉ。皇帝陛下のこれ程の“覚悟”、その宣言。
それに対する儂らの“土産”を忘れるとは。
“共に”世界を導かんとする儂らがの。
これはいかん。国に帰り急ぎ用意させよう」
そう言って、壇上に背を向け歩き出した。
壇上のレギウス三世は笑い声をあげた。
「はっはっは。そうであったな。
“共に”世界を導かんとする同志、
その“覚悟”、その“土産”。――期待して待つとしよう」
その高らかな笑い声が響く講堂内、
ルゼリアより国主ミレイアの代理として出席していたボルカンは、
(この場におるのが、ミレイアでなくてよかった。
あやつはあれで、腹芸が出来ん。
この雰囲気では、この場で世界大戦でも起こしかねんかったの)
そう国主の顔を思い浮かべ、苦笑を漏らし、
壇上、レギウス三世の横に立ち呆けるアンナは、
講堂内で照らされるレギウス三世に光を、
講堂を出て姿も見えなくなったレオニス四世の背に闇を感じていた。
アンナはその光景がどうにも腑に落ちず、何ともいえない表情を浮かべていた。
そして、参謀本部将軍ゴールドールが声を上げる。
「《光輪の乙女たち》、そして諸国の皆さま、
宿を用意しております。これよりは帝国の創る世界、
それを体感していただく講習会を開く所存。
まずは旅の疲れを癒し、明日よりご参加頂きますようお願いいたします」
その言葉に、
アンナは「降りることの出来ないレールの上に乗せられた」
ような感覚を覚えるのだった。




