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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第八章 魔王無き世界編
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第四話 勇者PTは式典で祀り上げられる①

“レギウス三世即位30周年記念式典”、

 その招待状に、リ・エスティーネ王国国王レオニス四世は苦い顔を隠せない。


「対魔王の最前線、五大国筆頭。

 そのガルディア帝国皇帝からの“記念式典”への招待。

 顔を出さんわけにもいかん。しかしのぉ」


“魔弾銃開発計画”、“闇魔法、《リバース》研究”、奴隷や武器の密売など、帝国の不穏な動きは枚挙に暇がない。それに“ゴーレム部隊”。その侵食は世界各国へと伸びている。


「“ゴーレム部隊”、実に厄介よの」


“治安維持”を名目に、各国に居座り、すでに幾つかの国では、彼らの“力”を正式に採用する動きすらあるという。


 レオニス四世の苦い顔は、王国騎士団団長にも移っていた。


「彼らの“力”は本物、我らも対策を考えておりますが、

 このままでは、騎士たちの士気にも影響が……」


 聖ローマン教の聖母マリアも、眉を顰める。


「彼らの“エネルギー補給”とやらで、

 マナも乱れると聞きます。……少し、心配ですね」


 跪き、彼らの話をじっと聞いていた“勇者”アンナが、顔を上げた。


「皇帝レギウス三世陛下には、確かに人知れぬ圧があります。

 以前、私たちも“GG00”というゴーレムを、“勇者の力を見せよ”と、

 けしかけられたこともありました。

 ですが、私たちが勝利すればその力、認めていただけました。


 今回も五大国の皆さま、そして私たちが力を合わせた姿、

 それをご覧いただければ、皇帝陛下もお喜びになると存じます」


 アンナが言い切り、レオニス四世にまっすぐ視線を投げる。


「ふむ」レオニス四世は一つ息をつき、


「確かに、会って話してみねば分からぬこともあるか。

 “記念式典”、万難を排して臨んでみる他、無いか」


 そう言って、少し表情を和らげた。


 レオニス四世にはそう意見したアンナだったが、

(もし、皇帝陛下に何かあるなら、私が止めないと……)

 床についた拳が、強く握り締められていたのだった。


そうして、“レギウス三世即位30周年記念式典”出席のため、

リ・エスティーネ王国から豪勢な馬車隊が出発し、

世界の行く末を方向付ける式典へと、その馬蹄を鳴らすのだった。

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