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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第七章 人魔決戦編
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第五話 リ・エスティーネ王国はつらいよ①

 魔王軍による世界規模の“スタンビート”。

 聖母マリアを擁する、女神信仰の大本山。

 リ・エスティーネ王国の衝撃は他国の比では無かった。


 王都エスティアの謁見の間で、国王レオニス四世は天を仰いでいた。

 王国内のダンジョン、“スタンビート”対応への報告が続々と上がる。


「《灰哭の巣窟》の再鎮圧に成功。王国騎士団第一隊が帰還すると報告が」

「冒険者ギルドの応援もあり、各ダンジョンに冒険者が派遣されております」


 いずれも前向きな報告だが、レオニス四世は苦い顔。


(まさか、このような事態が起こるとは……)


 伝令を呼び止め、レオニス四世は尋ねる。

「“勇者”は?カルナードへと送り出したアンナたちは、どうなっておる」

 呼び止められた伝令は振り返り、


「先程の報告の通りです。

 カルナードからの早馬によれば、

 カミシロ・アンナ以下、すでにカルナードを出立したと――」


 そうだったな、とレオニス四世は伝令を下げさせた。

 眉間に深い溝を作ったまま、レオニス四世は現状を理解しようと目を閉じる。


(“コルダ丘陵”での一件、大将軍を狙った闇魔法、《リバース》。

 聖属性を反転させるというその魔法。情報自体は掴んでおったが……)


 雑念を振り払うように頭を振ったレオニス四世。


(まさか、その先があろうとは。……しかもこの規模。あの状況)


レオニス四世は“英雄召喚”の祭壇、その現状を思い、

そして、ゆっくりと目を開くと、


「この世界は、闇へと沈むというのか……」


と、誰にともなく呟いたのだった。


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