第四話 ガルディア帝国はつらいよ?④
通常たくさんの高官たちが並ぶそこは今、静まり返っていた。
《鉱物の積層》より戻ったフジコはレギウス城、その謁見の間に跪く。
謁見の間には皇帝レギウス三世、
そして諜報部長官としてハルモニアが傍に侍るのみ。
「《鉱物の積層》より“オリハルコン”を持ち帰りました」
顔を下げたまま、フジコが言った。
「面を上げよ。よくやった、褒めて遣わす」
表情一つ変えないレギウス三世の言葉に、
フジコは顔を上げた。
(この男、このセリフ。反吐が出る)
そう思いながらも苦笑いを浮かべる。
「ありがたきお言葉」
冷え切った二人のやり取りに、笑みを浮かべるハルモニア。
フードで顔を隠したままで、声を上げる。
「これで“GG13”もまた一歩、完成体に近づきますな」
(その上、この男の口から出るのもこれか……)
フジコはこめかみが疼くのを自覚しつつ、
「帝国の威光の体現、“ゴーレム部隊”の活躍が目に浮かびますね」
口からひねり出したのは、そんな言葉だった。
「これでようやく魔王の野望阻止に目途も立とう。
しばらく休養を取るがいい。帝国内で羽を休めよ」
(帝国内……ね。目の届く範囲に居ろ。と……)
さすがのフジコも、これ以上この場に居る気にはなれず、
「ありがたきお言葉」
そう言うなり、立ち上がり謁見の間を後にする。
(目に見える様ね。完成体とやらになった“ゴーレム部隊”。
あれらが世界中へと派兵されていくのが……)
謁見の間を出た廊下、そこの窓から見える空を見ながらフジコは歩き続ける。
そして、フジコが想像した通りに、
“GG13”は“GG14”と名を変え、
砂漠へ、森林へ、港湾国家へ――世界各国へと歩き出すのだった。




