第三話 カルナードはつらいよ⑥
《悠久の王墓》で遭遇した帝国軍、“ゴーレム部隊”。
彼らとの邂逅にアンナたち“勇者PT”は、
彼女たちの在り方自体に頭を悩ませ続けていた。
(皆の希望の象徴として“共に”戦う。それは間違っていない。……)
カルナードの王宮、その謁見の間。
アンナは跪いたまま、まだ考えていた。
しかし、
「よくやってくれた。
《悠久の王墓》、それに《大空洞》、あなたたちの助力で鎮圧。
おかげで各地での状況も好転を始めている。皆に代り礼を言う」
カルナード、国王代理のジャファルが頭を下げ、
「それを聞いて、私たちも安心しました」アンナは顔を上げ、笑顔を見せた。
後に控える《暁の翼》、それにエルザたち王国騎士団にも安堵の空気が流れた。
が、
「それに“ゴーレム部隊”が各ダンジョンに向かってくれている。
彼らは頼もしい限りだな。我らも見習わなければ」
笑顔で言い切るジャファルの言葉に、アンナは表情を強張らせた。
(何か言い添えた方がいいのかしら……)
アンナは帝国の将軍、ライクイーグルの顔を思い浮かべ、言葉にできない不安を感じていた。何か言葉にしなければならない。でも、その「何か」が自分でも分からない。
「伝令!リ・エスティーネ王国より急報。
《暁の翼》以下王国騎士団は至急帰国されたし!とのことです」
突如、謁見の間に飛び込んできた伝令に、
アンナたち《暁の翼》、それにエルザたち王国騎士団が騒めく。
「どういうこと?」エルザが叫ぶが、
「詳細は不明。至急帰国されたし、内容は以上です」
伝令の報告に、アンナたちは立ち上がる。
「ジャファル様!」
「ああ、こちらは大丈夫。至急帰国し事に当たってくれ!」
国王代理ジャファルへの挨拶もそこそこに、
アンナたちは帰国の途に就いた。
馬車内は沈黙が支配し、最悪の状況も頭をよぎる。
アンナの“ゴーレム部隊”への不安も置き去りに、
アンナたちの乗る馬車も、エルザたちの騎馬隊も土煙を上げ走り続けるのだった。




