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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第七章 人魔決戦編
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第三話 カルナードはつらいよ②

“オアス・ラジェム”の王宮、

 アンナたちはその謁見の間へと通された。


 出迎えたのは、国王代理ジャファル・カルナードだった。


「よく来てくれた。《暁の翼》の諸君。

 それにリ・エスティーネ王国騎士団からも増援。

 頼もしい限りだ」


 アンナたちは跪き、顔を上げた。


「貴国の救援要請にこたえ、急ぎ参りました。

 早速ですが戦況はいかがでしょうか」


 アンナの言葉に、ジャファルが息をつく。


「知っての通り、

 我がカルナードはダンジョンとの関りが深い。

 それが今回の世界規模“スタンビート”。

 正直、手が回っていないのが現状だ」


 身を固くするアンナたちを見回し、ジャファルが言った。


「到着してすぐの所、申し訳ないが、

 現状一番の激戦地となっている《悠久の王墓》へと向かってもらいたい」


「承知しました。行くよ!皆」


 そう言ってアンナたちが謁見の間を後にした。


 そのアンナの背を見ながら、ジャファルは呟く。


「“勇者”アンナに見せたくは無かったが、……それでも」


 こうするしか無かったのだ、という言葉はか細く消え入るのだった。



 カルナード兵に先導され、

 アンナたちの馬車が《悠久の王墓》へ辿り着いた。


「あれは、ピラミッドか!」


 アリアが目の前の四角錐の建物、

 ピラミッド型の王墓を指差す。


「しかし、誰もいないな。もう中にいるのか?」


 ヤスコが馬車を降りながら言った。

 アンナたちの後ろに、

 エルザたちの騎馬隊も到着した所で、

 案内役のカルナード兵が答えた。


「はい、

 我々カルナード軍が先行しているのですが、

 地下へと向かう構造。

 その先には大きな洞窟が続いています」


「洞窟?王墓ではないのか?」アリアが眉を顰める。


「本来なら地下の棺の間にコアがありました。

 しかし、この先の《大空洞》と呼ばれるダンジョン。

 その境を破壊され、一つになってしまっているようです」


「まさか!魔王軍か」


 ヤスコが声を上げ、カルナード兵が頷く。


「おそらく。

《大空洞》側からも我らが侵攻しておりますが、

 いまだ鎮圧には至っておりません」


「単純にダンジョン二つ分の脅威度という事ね」

 追いついたエルザが声を上げた。


 そのエルザたちに目を向け、アンナが言った。


「たぶん中は魔物で溢れてる。

 それに魔王軍。

 急ごう、兵たちの身が心配だわ」


アンナのセリフに一同の空気が変わる。

そうして《悠久の王墓》攻略が始まるのだった。

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