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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第七章 人魔決戦編
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第二話 ヴァルニスはつらいよ①

 魔王軍による世界規模の“スタンビート”。

《青環の神殿》を鎮圧した武聖トンペティたちも、息つく暇が無かった。

 

 すぐさま次のダンジョンへと赴き、鎮圧して帰ったのだ。

 国主マルセロへと報告に出向いたトンペティは、謁見の間にいた。


「老師、帰ったばかりの所、悪いが次は《断崖の古城》へ頼む」

 国主マルセロの顔にも疲労が滲んでいる。


「了解した。

 しかしマルセロ、お主休めておるのか?

 顔色が優れんようだが……」


 眉を顰めるトンペティの背中から、次の伝令が駆け込んでくる。


「伝令!《鉱脈迷宮》に帝国の“ゴーレム部隊”が入りました」


 マルセロはそちらに顔を向け、

「分かった。すぐに回せる冒険者を回せ!

 “ゴーレム部隊”の援助に向かわせろ」


 伝令が頷き、謁見の間を走り去る。


 ようやくの体で、マルセロがゆっくりと息を吐く。

「まさか、これほどの事態となるとはな。

 正直、眠る時間はとれてはいない。

 しかし、乗り切らねばならん。――ここが正念場だ」


 マルセロの視線には、まだ力がこもっていた。

 そのマルセロの表情にトンペティが息を吐く。


「無理はするなよ。

 お前はヴァルニスの国主、代わりなどおらん。

 それだけは忘れるな。……しかし」


 トンペティは再び眉を顰め、言った。


「“ゴーレム部隊”とは?帝国と聞こえたが」


 マルセロは玉座へと座り、手を広げた。


「ああ、帝国皇帝レギウス三世から送られた援軍だ。

 疲れ知らずの“ダンジョン攻略兵器”。

 正直思うところもあるが、大いに助けられているよ」


 沈黙するトンペティに、マルセロが重ねて言った。


「《断崖の古城》には奴らも向かっている。

 老師、その目で奴らを見極めて欲しい」


 マルセロの言葉に頷いたトンペティは、踵を返した。

「では、行って来よう」

 そう言ってトンペティは歩き出す。


《断崖の古城》へと。

“スタンビート”鎮圧よりも、

 むしろ“ゴーレム部隊”へと思いを巡らせながら――。


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