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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第七章 人魔決戦編
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第一話 ルゼリアはつらいよ⑨

《穿山古神殿》、

 コアの間での“ゴーレム部隊”の奮闘。しかし敵も去る者。オーガが抑える間にコア近辺から続々と魔獣が生れ落ちる。


 一進一退の攻防に、ファルディーンが指示を出す。


「儂に魔力を集中せよ。辺り一面焼き尽くす」


「は!」ファルディーンの詠唱に合わせ、エルフたちが意識を集中する。


 それを見ながら帝国将軍クロロノートが笑みを浮かべる。


「ありがたい。決着は早い方が良いですからな」

 そのクロロノートのセリフが耳に障る。


 ファルディーンの視線の奥に、一体のゴーレムが映る。


 オーガの一撃を受け、

 吹き飛んだソレは、神殿の壁に背を預ける。

 すると、全身の文様が光り始めた。


(あれは!ダンジョンからエネルギーを補給しておるのか!)


 そしてそれに呼応するように、辺りが振動を始めた。


(これは!?)


 異様な光景に、ファルディーンの集中が途切れそうになる。


「ファルディーン卿!」エルフ兵の叫びに、オーガが気づく。


「あそこだ!魔法を打たせるな!」

 オーガがゴーレムたちを弾き飛ばし、魔獣がファルディーンに迫る。


 しかし、クロロノートが指示を出す。


「壁となれ!」


 その言葉と共に“ゴーレム部隊”がファルディーンの前に立つ。

 押し寄せる魔獣をまさに壁となり、抑え込む。


「《プロミネンスフレア》!」

 ついにファルディーンの詠唱が決まり、

 巨大な太陽がコア周辺を焼き尽くす。


 辺りに焼け焦げた匂いが立ち込める。


 かろうじてコアだけがそこにあった。


「手間をかけたな」ファルディーンのセリフに、


「いえ、お見事でした。さすがはファルディーン卿。

 “魔術部隊”総督の力、堪能させていただきました」

 クロロノートが手を打って微笑む。


 しかし、そのクロロノートの微笑みにファルディーンが眉を顰める。


(何か、どこか癪に障る。それに“ゴーレム部隊”……)


 ファルディーンが目を向けるそこでは、

 “ゴーレム部隊”が皆エネルギー補給を始めていた。

 それに合わせ《穿山古神殿》全体が振動しているように感じる。


 その振動に不安げな表情を浮かべていたファルディーンたち。


 しばらくしてようやく振動がおさまると――、


「ふむ、補給が済んだようです。我々はこれにて」

 そう言い残し、クロロノートと“ゴーレム部隊”が引き上げていった。


 コアの調整に当たるエルフ兵たちを見て、

 ファルディーンが息をつく。

 そして、ふいに天井を見上げた。


(ん?あれは、コアの周りに何かが渦を巻いている。天井画か?)


 その天井画は、コアへと向かうのかコアから出ているのか、それすらわからない。何かが渦を巻く紋様の様でもあった。


(ダンジョン内は学者共が調べたはず。

《プロミネンスフレア》で姿を現したのか?分からん)

 

 奇妙な天井画に見入っていたファルディーンだったが、


「ファルディーン卿、コアの制御が終わりました」


 とのエルフ兵の言葉に、頷きを返し“フォレスト”への帰還を宣言した。


帰途への馬車の中、

ファルディーンの頭の中では様々な疑問や不安が渦巻いているのだった。

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