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異世界はつらいよ~転生勇者放浪記~  作者: 花京
第七章 人魔決戦編
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第一話 ルゼリアはつらいよ⑧

“フォレスト”内謁見の間にて、

 国主ミレイアとボルカンはガルディア帝国の使者と相対していた。

 皇帝レギウス三世の親書を携えて、やって来たのだ。


「親愛なるルゼリアの国主ミレイア殿。

 此度の大戦、魔王ノクスの蛮行、目に余る。

 今こそ五大国、手を携え事に当たらん。

 ついては帝国の“ゴーレム部隊”を遣わす。

 見事危難を切り抜ける事を願う。

 ――ガルディア帝国皇帝アウレリウス・レギウス三世」


 書状を読み上げた使者が言う。


「すでに“ゴーレム部隊”を各ダンジョンに派遣しております。ご決断を」


 立ったまま、こちらから目を動かさない使者。

 ボルカンと共に沈黙していたミレイアだったが、


「皇帝陛下の御厚情、痛み入ります。

 早速、お情けに縋らせていただくこととします。

 使者殿も遠路ご苦労でした。皇帝陛下によろしくお伝えください」

 そう言って、帝国の使者を帰らせた。


「早いの」ボルカンが眉を寄せる。


「しかし、こちらも手が足りないのは事実。

 皇帝陛下の力に頼るとしましょう。……今は」


 そう言って世界樹へと振り返るミレイア。

 その表情はいつもの微笑みでは無かった。


《穿山古神殿》。ルゼリア北方に連なる山岳の一つ。そこに山を削り作られた古い神社があった。古くから打ち捨てられた、そこはダンジョンと化していた。


 そこへファルディーンたち“魔術部隊”の馬車が辿り着いた。


「皆、魔力は回復しておるな?」

 頷く“魔術部隊”の面々を見渡し、ファルディーンが言った。


「帝国の“ゴーレム部隊”とやらが先行しているらしい。合流を急ぐぞ」

 ファルディーンたち“魔術部隊”が内部の広間へ侵入するが、


「むぅここにもいない。随分奥へと進んでおるようだな」


 中央に下へと向かう階段が見える。


「ここは、らせん状に地下へと向かう構造。

 ここからでは見えんな。追うぞ」


 息を殺し、進む“魔術部隊”。

 時折ある広い空間には戦闘の跡が見える。

 焼け焦げた壁や、切り刻まれた魔獣。

 砕かれた骨が打ち捨てられている。


「もうすぐコアの間。ここまで進んでおったとは」

 ファルディーンが唸る。


 そして見えてきた。コアの間への入り口。

 剣戟の音や魔獣の咆哮が聞こえてきた。


「戦闘準備!」


 ファルディーンの声と共に陣を構える“魔術部隊”。

 三人一組の隊を作り、それぞれ杖を構える。

 いつでも詠唱を始められる態勢で、中へと足を踏み入れた。


 中では中央にコアが見えた。

 時折黒い稲光が走り、辺りに触手を伸ばしている。

 コアの前にはファルディーンの二倍は上背のある鬼、

 オーガが咆哮を上げていた。


「何故ゴーレムがそちらにいる!しかもこの数」


 オーガがゴーレムと打ち合う様を見ていたファルディーン。

 その姿に気が付いた黒い全身鎧の男が振り返った。


「おお、あなたがファルディーン卿ですね。

 私はガルディア帝国幕僚本部将軍、クロロノート。

 そしてあれが我が帝国の誇る“ゴーレム部隊”です」


 クロロノートの言葉に頷きを返し、ファルディーンが言った。


「クロロノート殿、助力感謝する。

 しかし帝国の兵士の姿が見当たらんな。もしや途中で負傷を」


 その言葉にクロロノートが苦笑を返す。


「いえ、ここへ来た士官は私のみ。

 あとは10体の“GG13”、ゴーレムだけですよ」


コア前の激戦、オーガやコアから次々と生まれる魔獣たち。

それらと戦う“ゴーレム部隊”の姿にファルディーンは息を呑むのだった。

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